太陽7話 コーディネート

スペルヴィアさんに頼まれ、彼がショーで着る衣装を私が選ぶことになった。

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スペルヴィア『そうだ、アンタに選んでもらおうかしら』

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(あのままお店に入っちゃったけど……)

目の前には、たくさんの星モチーフのアイテムが並べられている。

横目でスペルヴィアさんを見ると、店の中央から店内をじっくりと見回していた。

腕を組み真剣に服を見つめる姿に、小さなため息が漏れる。

(スペルヴィアさんみたいな完璧な人に服を選ぶのは、難しいな……)

(暗い色の服が多いから、その方がいいのか……いつもと違う雰囲気を出した方がいいのか……)

(思い切って白? 怒られちゃうかな……)

あれこれと思いを巡らせていた時、不意にスペルヴィアさんが私の顔を覗き込んだ。

スペルヴィア「そんなに緊張しなくていいわよ。アンタの直感で選んでみて」

〇〇「でも、どれも素敵で……」

スペルヴィア「んー、そうね……テーマを決めてみれば?」

〇〇「テーマ?」

スペルヴィア「例えば、デートでワタシに着てほしい服とか?」

スペルヴィアさんが悪戯っぽく微笑む。

(デート……)

思いがけないお題に頬が熱くなるけれど……

(でも確かに、そういうのがあった方が選びやすいかも……)

私と一緒に遊園地や映画を楽しむスペルヴィアさんを思い描いてみる…-。

けれど、何を着てもスペルヴィアさんは似合いそうで……

〇〇「スペルヴィアさんは、どこに行きたいですか?」

スペルヴィア「んー? アンタとだったら、どこに行っても楽しそうよね」

さらりと言う彼に、胸が小さく打ち鳴る。

(余計にわからなくなってきたかも……)

苦笑して視線を下げた時…-。

〇〇「あ、これかわいい……」

小旅行に丁度よさそうな、星空の描かれたボストンバッグに目が留まった。

スペルヴィア「それはレディースよ?」

〇〇「そうですよね、すみません。ただかわいいなって思って」

スペルヴィア「あら、自分用ってこと?」

〇〇「はい。いろんな国にいったりするし……あっ」

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スペルヴィア『だから、たまに他の国に来ると、嬉しくなる。 空を見上げると、たくさんの星が輝いてて……』

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嬉しそうに、でも少し照れくさそうに話すスペルヴィアさんの姿が頭をよぎる。

(スペルヴィアさんに着てもらいたい服、決まったかも)

スペルヴィア「どうしたの? にこにこして」

〇〇「スペルヴィアさん、テーマ決めました」

スペルヴィア「へえ、何?」

〇〇「星を見つける旅……です」

私の言葉に、スペルヴィアさんが目を見張った。

〇〇「スペルヴィアさん、他の国に行くと星空を見る機会が多くて嬉しいって言ってたから……。 そんな時に着てほしい服を選ぼうかなと思って」

スペルヴィア「へえ……」

私は早速、イメージに合いそうな服を手に取る。

〇〇「これとか……あ、これも素敵……」

わくわくと高鳴る胸に掻き立てられるように、何着もの服を手に取っていた。

スペルヴィア「……楽しい?」

不意に話しかけられて、我に返る。

〇〇「はい、とっても」

弾む気持ちを抑えきれずに、笑いながらスペルヴィアさんに振り向く。

彼は優しい微笑みを浮かべ、私を見つめていた…-。

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