太陽7話 輝く景色を

夕陽が窓辺からレストランバーを照らすの中…-。

ダグラスさんの甘い囁きが私の耳をくすぐる。

(……言わなきゃ)

夕陽に赤く照らし出された彼の顔を見て、今日一日のことを思い出す。

―――――

〇〇『エスコート……ですか?』

ダグラス『ああ、いろいろ行事続きで〇〇も疲れただろう? そんな君に、『おもてなし』ってやつをさせて欲しくて』

―――――

(本当に楽しかった)

(ダグラスさんが、まだ私と一緒にいたいと思ってくれているなら…-)

〇〇「私も、ダグラスさんともっと一緒に過ごしたいです……」

彼への感謝を込めて、素直な気持ちを言葉にする。

ダグラス「……っ」

彼は、息を呑んで自分の口元を手で覆い隠した。

〇〇「あの、ダグラスさん?」

私の視線を受け止めたダグラスさんが、くくっと困ったように笑う。

ダグラス「完敗だ」

〇〇「えっと……」

ダグラス「俺の完敗だって言ったんだよ。 そんなにかわいいことを言うなんて……。 やっぱり君は、俺がこの人生で手に入れた一番の財宝だな」

〇〇「……っ」

静かに囁かれた瞬間、彼は私の手を取った。

海の色のような深いグリーンの瞳が熱を持ってゆらめく。

ダグラス「〇〇姫。今宵は……俺と美しい星を眺めて過ごしませんか?」

私の手を軽く握ったダグラスさんが、ごく自然にそんなことを口にする。

まっすぐな言葉が胸に届き、自然な気持ちで返事をすることができた。

〇〇「……ありがとうございます。すごく嬉しいです。 きっとダグラスさんはあのエメラルドグリーンの海で、綺麗なものにたくさん出会ってるんですよね」

ダグラス「……」

〇〇「そんなダグラスさんに褒めてもらえるなんて、本当に…-」

言葉が言い終わらない内に彼にそっと背中から抱きしめられた。

きゅんと、胸の内側で小さく心臓が音を立てる。

(ダグラスさんの腕、温かい……)

(このまま目を閉じて身を委ねてしまいたい……)

〇〇「私も何か、この嬉しい気持ちのお返しがしたいです……」

ダグラス「お返し、ねぇ……」

独り言のように囁かれた言葉が、間近で耳を熱くする。

ダグラス「……なら俺は…-」

そう言いながら、彼は私を自分の方へ振り向かせた…-。

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