太陽7話 探し出してみせる

怪盗役をやると申し出てくれた執事さんを、アルマリは少し驚いた様子で見つめている…-。

アルマリ「君が、〇〇を……?」

執事「はい。私ならアルマリ様も心配なさらずに済むのではないかと」

執事さんは胸に手をあてて、にっこりと笑う。

するとアルマリは、納得したように小さく頷いた。

アルマリ「じゃあ、お願いしようかな……。 だけど、すぐに見つかっちゃったら修行にならないし……うんと難しいところに隠してくれる?」

執事「承知いたしました」

執事さんはアルマリに恭しく頭を下げると、私に向き直って微笑む。

執事「では参りましょう、〇〇様」

〇〇「はい」

執事さんと一緒に、部屋の外へ向かう。

すると……

アルマリ「〇〇」

〇〇「え……?」

振り返ると、彼がいつもとは少し違う力強い眼差しで私を見つめていた。

アルマリ「待ってて……〇〇。すぐに探し出してみせるから」

〇〇「アルマリ……。 うん、待ってるね」

アルマリは大きく頷き、嬉しそうに微笑む。

その笑顔に見送られながら、私は執事さんと一緒に部屋を後にした…-。

……

窓から見える空が、茜色に染まっていく…-。

私は執事さんの案内で、城の一角にある部屋に身を隠していた。

〇〇「アルマリ、遅いですね……」

執事「アルマリ様がいらっしゃるまで、きっと今しばらくかかるかと存じます。 ここは使用人の中でも限られた者しか知らない部屋ですから。 ですので、それまでどうぞごゆっくりお寛ぎください」

執事さんは私の目の前に花柄のティーカップを置くと、ハーブティーを注いでくれる。

(いい香り……)

ティーカップを両手で包むと、手のひらから心地よい温かさが伝わってきた。

(なんだか、落ち着く……)

執事「……それにしても、アルマリ様に大切な方ができる日がくるとは。 お生まれになった時からお仕えしていますが……時が経つのは早いものですね」

執事さんは遠い記憶を懐かしむように話すと、私を見つめる。

(大切な方って……)

じわじわと、頬が熱くなってくるのを感じる。

そんな私を見て、執事さんは柔らかく微笑んだ。

執事「これまでは、トルマリ様や宝石の国の王子様方のお話がほとんどでしたが……。 最近は、〇〇様のお話ばかりをされています」

〇〇「えっ……?」

(そうだったんだ……)

嬉しさや恥ずかしさがない交ぜになったような気持ちを抱きながら、ハーブティーを口にする。

じんわりと広がる温かさや甘い香りは、まるで今の私の心を表しているかのようだった…-。

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