太陽SS 雪に描いた想いの形

夜空に、星が宝石みたいに輝いている…-。

〇〇の手を引っ張りながら、僕はさっき彼女に言った言葉を思い出していた。

―――――

シュニ―『当然でしょ! お前は僕の恋人なんだから』

―――――

(恋人……)

その響きに、なんだか幸せな気持ちが込み上げる。

(自然に、口から出たんだ)

(本当に自然に……)

告げた時の〇〇の驚きと、目の輝きを思い出せば……

落ち着いた心臓がまたうるさく鳴り出す。

(なんて言ったらいいか、わかんないや……)

言葉にできない想いを持て余して、繋ぐ手に力を込めた。

そんな僕に応えるように、〇〇もしっかりと握り返してくれる。

(……〇〇)

それだけでなんだか胸が苦しくて、熱くなる頬を誤魔化すように口元を引きしめた。

人の通りが少ない場所まで来ると、足を止めて彼女に向き直る。

(……すごくドキドキする)

彼女のために用意したスノウクリスタル…-。

(お前は、どんなものを贈ったってきっと笑ってお礼を言う)

(でも……それじゃ、僕は嫌なんだ)

心からの〇〇の笑顔を思い浮かべながら、僕はそれを彼女の差し出した。

シュニ―「はい、これ」

スノウクリスタルが入った小さな箱を、彼女の手のひらに静かにのせる。

〇〇「……私に、ですか?」

シュニ―「他に誰がいるんだよ。ほら、開けて見て」

〇〇「ありがとうございます」

箱を開けた彼女が、小さく息を呑んでネックレスを見つめた。

〇〇「すごい……」

その反応で、〇〇が喜んでくれていることがわかった。

けど、どうしても恥ずかしさが僕の声を詰まらせる。

(お前を想いながら……)

シュニ―「……お前のために作った」

〇〇「私のために……?」

やっと出た声に乗せて、想いを紡いでいく。

シュニ―「お前は、僕と一緒にいられるだけで嬉しいって言ってたけど……。 僕は、僕の気持ちを目に見えるものにしてお前に渡したかった。 ……世界でたった一つの、僕の想いを」

心臓が破裂しそうだった。

けど、目を逸らしたちゃんと伝わらない気がして……僕は〇〇を見つめ続けた。

〇〇「本当にありがとうございます。すごく……嬉しい」

箱ごと抱きしめ、彼女の笑みが顔いっぱいに広がっていく。

(……っ)

僕の大好きな〇〇の笑顔に、胸がいっぱいになった。

〇〇「温かくて、優しくて……シュニ―君の気持ちが流れ込んでくるみたいです」

(〇〇……)

想いが伝わったことを知って、僕は一瞬固まってしまった。

けどすぐに、嬉しさに満たされて頬が緩んでいく。

(よかった……!)

弾む心を抑えきれずに、僕は〇〇に手を差し出した。

シュニ―「貸して、つけてあげる」

〇〇「え? 大丈夫ですよ、自分でできますから」

シュニ―「いいから!」

彼女の手から箱を奪って、僕は丁寧にネックレスを取り出す。

シュニ―「ほら、早く」

〇〇「は、はい……」

僕の言葉に頷いて、屈む彼女の首に腕を回す。

距離を縮めると、〇〇が落ち着かないといった様子で体を揺らした。

シュニ―「ちょっと、動かないでよ」

〇〇「す、すみません」

僕はわざと、ネックレスをゆっくりとつけていた。

(だって、見ていたい)

(僕がずっと見たかった、お前のその顔……)

シュニ―「愛の日は、普段伝えられないことを伝えられるって言ってたけど……。 なんとなくわかった気がする。 お前にこれを渡して、笑ったり、喜んだりする顔を見たら、伝えたい言葉が浮かんできた」

(ずっとずっと前からあった、言葉にできなかったこの気持ち……)

(すごくあったかくて優しくて……少しだけ苦しい気持ち)

シュニ―「……好きだよ、お前のことが」

冷たい夜の空気を吸い込んで、心の中で煌めく言葉を口にする。

〇〇「シュニ―君……」

シュニ―「お前が笑ったり、喜んだり……いろんな顔をするところを、僕は隣で見たい」

(一緒にいたい。誰よりも傍に)

シュニ―「これからも、ずっとね」

そう言って、ようやく僕はネックレスの鎖を留めた。

彼女は黙ったまま、優しくスノウクリスタルに触れる。

そして、少し間があってから…-。

〇〇「シュニ―君のことが、大好きです」

シュニ―「!」

不意打ちのような言葉に、心臓が大きく跳ねた。

〇〇「シュニ―君と一緒にタルトを食べたり、いろいろなところへ行ったり……。 ひとつひとつが、私にとってとても大切な思い出です」

(……っ)

彼女のまぶしい笑顔に、照れくささと幸せな気持ちが一気に込み上げて、僕は目を伏せる。

(どうしよう)

(すごく……嬉しい)

そう伝えたいのに、ドキドキとなる心臓のせいで声がなかなか出てこない。

結局、僕は……

(愛を伝えるって……別に、言葉じゃなくてもいいよね)

顔をもう一度近づけて、そっと彼女にキスをした。

シュニ―「これからも僕の隣にいること。いいね?」

〇〇「はい」

僕が囁く約束に、〇〇が顔をほころばせて頷けば……

二人の想いを見届けたように、スノウクリスタルが綺麗な輝きを放ったのだった…-。

おわり。

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