太陽6話 約束よりも……

丘の向こうに沈んでいく太陽が、まばゆい光を放っている。

イリアさんの手の中で、懐中時計が音を立てて閉じられた。

イリア「……丘に行きましょう」

〇〇「でも、王妃様との約束は?」

王妃様、という言葉にイリアさんの肩が微かに揺れる。

イリア「いえ……」

迷いを振り切るように、彼の瞳が一度伏せられる。

やがて顔を上げると、彼はまっすぐに私を見つめた。

イリア「今は貴方ともう少し一緒にいたい」

〇〇「イリアさん……」

イリア「行きましょう、〇〇様」

〇〇「でも……」

イリア「早くしないと、夕日が沈んでしまいます」

(本当に大丈夫なのかな)

心配で、胸のざわめきがおさまらない。

(でも……私も、イリアさんと一緒にいたい)

大きな決心をしたように歩き出した彼の背中を見つめ、私も一歩、足を踏み出した。

<<第5話||太陽6話>>