太陽7話 遅すぎた仲直り

光に導かれ、ホープは独りあの場所を目指す。

辺りに満ちる光に、自分の体が幾度となく吸い込まれそうになった。

(間に合ってくれ)

祈るようにそう願いながら、ホープは光の中を駆けた。

そして…-。

ライト「……ホープは、また出かけているの?」

聴きたかった声が聞こえ、ホープはハッと目を凝らした。

従者「はっ……そのようです」

ライト「……そう、か」

愛しい面影そのままに、ライトがふっとため息を吐き出す。

(ライト……)

傍にいることができなかった、あの時…-。

その記憶をたどり、必死に思い描き……ホープは再びライトのもとへたどり着いた。

従者「もうお休みください。お体に障ります」

ライト「うん。そうさせてもらうよ。 お休み」

従者がホープの隣を抜け、部屋の出口の方へ歩いていく。

やがて扉が閉まる音がして……ライトが、ゆっくりとホープの方を見た。

ライト「……ホープ」

ホープ「ライト……」

視線がしっかりと重なり合い、ライトが嬉しそうに頬をほころばせる。

ライト「会いたかった」

ホープ「……ああ」

ごめん。

そう口にしたいのに、ホープの唇はなかなか動かない。

ホープ「……っ」

何度も声を喉に張りつかせ、顔を歪ませていると…-。

ライト「寂しかったよ。本当は」

先に、ライトが口を開いた。

ライト「頼りにしていたのに。傍にいてほしかったのに……君はいつも、一人でどこかへ出かけてしまって」

拗ねた口調に、ホープは思わずむっとした表情を浮かべる。

ホープ「……なら、そう言ってくれればよかっただろう。 無理をするなと言っても、お前はすぐに無理をする。 大丈夫かと聞いても、大丈夫だと笑って答える。 ……寂しかったのは、こっちの方だ」

堰を切ったように思いが溢れ、言葉になって口から出ていく。

そんな自分に気づいたホープは、ハッと目を見張り……それから、いたたまれなさに顔を伏せた。

ライト「……ホープ」

ライトがホープに歩み寄り、その顔を覗き込む。

ホープ「……もっとお前と、話をするべきだった」

切なげに絞り出された声を受け止めるように、ライトはそっと瞳を閉じた。

ライト「うん。僕ももっと、ホープと話がしたかった。 ……ごめんね」

ホープ「ごめん……」

二人見つめ合い……そして、気恥ずかしそうに笑い合う。

ホープ「……長い兄弟喧嘩だったな。 お互いを傷つけ合うまでわからないなんて……俺達は馬鹿だな」

ライト「ふふ、本当にそうだ」

二人でもう一度微笑み合ったその瞬間、ホープはめまいのような感覚に襲われた。

ライト「……ホープ」

ライトが、寂しげに自分の名前を呼ぶ。

訪れる別れの時を、ライトもまた予感していた。

(もう……長くはない)

ホープ「……俺はもう、行かなくては」

ライト「待って」

ライトが、ホープの手をそっと握る。

青白く華奢な手は、温かな熱を帯びていた。

ライト「最後に……会いに行こう」

ホープ「え……?」

ライト「あの場所で、〇〇が待ってる」

花のように微笑んで、ライトがホープを扉へ促す。

愛しい存在をすぐ傍に感じながら……ホープはしっかりと足を踏み出した…-。

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