太陽6話 街の噂

グレイシア「……嬉しい」

グレイシア君がそうつぶやいた後、どれくらいの時間見つめ合っていただろう。

◯◯「あ……あの」

思いきって声をかけると、グレイシア君がハッとしたように私から瞳を逸らした。

◯◯「……」

そして、再び訪れたしばらくの沈黙の後…ー。

グレイシア「……街に戻る」

グレイシア君が、くるりと私に背を向けた。

◯◯「……お城に行かなくていいんですか?」

私のその言葉に、グレイシア君はポケットに手を突っ込み、大きなため息を吐く。

グレイシア「どうせ、大した用事で呼ばれてるんじゃないさ。俺が目覚めても、城では持て余すだけだよ」

(グレイシア君……)

グレイシア「じゃあな。足、ちゃんと医者に診せろよ」

私の方を振り返ることなく、グレイシア君は湖岸の方へ滑り出す。

◯◯「……」

私は一人雪原に残され、小さくなっていく彼の背中をじっと見つめていた…ー。

数日後……

街の噂話によると、グレイシア君はまだ城に姿を出さず、街中に留まっているらしい。

(いいのかな……)

心配になり、彼の姿を探すため、私は宿から外へと出かけた。

……

(駄目だ、グレイシア君、全然見つからない。どこにいるんだろう?)

(もしかして……)

彼の居場所に、私には一つだけ、心当たりがあった…ー。

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