太陽最終話 二人だけのクリスマス

夜を迎え、ウェルガーくんの滞在する部屋で楽しいクリスマスパーティが始まる。

(わあ……!)

彼の部屋に足を踏み入れた瞬間、私を迎えてくれたのは……

街のイルミネーションにも負けないぐらい煌めく電飾と、色とりどりのオーナメントだった。

〇〇「これ、全部ウェルガーくんが用意したの?」

ウェルガー「もちろん! お前に喜んでもらいたくて、パーティの準備頑張ったんだ!」

ウェルガーくんが照れくさそうに、鼻の下を指でこする。

〇〇「ウェルガーくん……ありがとう。 疲れたでしょう? 紅茶を淹れるから、ちょっと待ってて」

ウェルガー「え? いいよ。僕が…-」

〇〇「ううん」

そっと首を横に振り……私は彼に想いを伝えるため、小さく深呼吸をした。

〇〇「クリスマスは、ウェルガーくんにも……。 ……私の大切な人にも、喜んでほしいから」

ウェルガー「なっ……!」

瞬く間に、ウェルガーくんの顔が真っ赤に染まっていく。

ウェルガー「えっ、と……。 そ、そうだ! 紅茶飲んだら、お前が言ってたプレゼント交換しようぜ!」

目を泳がせていたウェルガーくんが、恥ずかしさを誤魔化すように大きな声で提案する。

〇〇「うん、そうだね」

甘い空気が満ちる中、私は紅茶を淹れ……

温かな紅茶を二人で楽しんだ後、私達は約束通りプレゼント交換をすることにした。

ウェルガー「よいしょ、っと」

ウェルガーくんが、テーブルの脇に置いてあった大きな包みを取り出す。

〇〇「すごく大きな箱だね」

ウェルガー「だろ! 僕さ、お前の好きそうなホワイトタイガーの……。 って、しまった!!」

彼は大慌てで口を塞ぐものの、時すでに遅く……

ウェルガー「こんな形でばらしちまうなんて……。 くそーっ!!」

悔しそうに口を尖らせる姿がかわいくて、申し訳なさを感じながらも、私は思わず笑ってしまった。

ウェルガー「あ! 今、笑ったな!」

〇〇「ふふ」

ウェルガー「あー! 失敗したぁ……」

そんなふうに言いながら、頭を抱えていたウェルガーだったものの……

ウェルガー「……ははっ。ほんと、何やってんだろうな」

やがて悔しさよりもおかしさの方が上回ったのか、彼は涙を浮かべながら笑っていたのだった…-。

……

そうして楽しい時間は、あっという間に過ぎ……

デザートのケーキを食べた後、私達はソファーに並んで座りながら、揺らめく暖炉の火を見つめていた。

(ウェルガーくん……楽しんでくれたかな?)

パーティの間、彼はずっと笑顔でいてくれたけど……

―――――

ウェルガー『僕はきっと、もらえないよな。 ……いい子じゃないからさ』

―――――

あの時の言葉が、ずっと心に引っかかっていた。

(もう、悲しい気持ちはなくなったかな……?)

そんなふうに思いながら、ちらりと彼を見た時…-。

ウェルガー「あー……今、すげえ幸せ」

肩に心地よい重さを感じたかと思うと、ウェルガーくんが優しく囁く。

(ウェルガーくん……)

噛みしめるようにつぶやかれた『幸せ』という言葉が、胸に優しく染み渡る。

〇〇「私もだよ」

ウェルガー「本当に?」

〇〇「うん。ウェルガーくんとこんなに楽しいクリスマスを過ごせて、私も幸せだよ」

ウェルガー「へへ、そっか」

繋いでいた手に、きゅっと力が込められ……

ウェルガー「僕もお前も幸せで、最高の日だな。 ……ありがとう。僕に、こんな時間をプレゼントしてくれて」

ウェルガーくんの言葉が、さらに大きな幸せをもたらせてくれる。

〇〇「私の方こそ、ありがとう。 本当に……とっても幸せな時間だったよ」

ウェルガー「ん……」

彼は甘えるように、私の肩へと頬ずりをした。

その姿に愛おしさを感じていると……

ウェルガー「来年もまた、一緒にクリスマスやろうな」

〇〇「うん……」

ウェルガーくんは繋いでいた手を離すと、私をぎゅっと抱きしめる。

ウェルガー「へへ。 サンタってさ。実はじーさんじゃなくて、かわいいお姫様のことだったんじゃねえか?」

(え……?)

ウェルガー「だって、僕にプレゼントをくれたのは……かわいい〇〇だったからな!」

ぱっと顔を上げた彼に、驚く間もなく……

柔らかな唇が、私の唇をかすめた。

〇〇「……!」

ウェルガー「僕……やっぱり、お前のことが好きだ」

頬を赤く染めるウェルガーくんが、まっすぐな愛の言葉をくれる。

暖炉の火と電飾の光が織り成す幻想的な空間の中、私は彼に微笑み……

彼がくれたその言葉をいつまでも忘れないように、そっと胸の奥にしまったのだった…-。

おわり。

<<太陽5話||太陽SS>>