太陽SS 絶えない喜び

僕の部屋にツリー用の大きな木がやってきて、一気にクリスマスムードが高まった。

コロレ「位置はこれでよし……と。 うん。なかなかいいんじゃないかな?」

暖炉の傍に置かれたそれを、離れたり近くに寄ったりして何度も確認する。

(〇〇さん、喜んでくれるかな?)

ツリーを見た彼女の表情を想像するだけで、頬が自然と緩んでしまう。

その時ノックの音がして、オーナメントを手にした執事が入ってきた。

執事「コロレ様、こちらをご用意したのですが……」

この間からクリスマスケーキを試作したり、ツリーを飾ったりしている僕に気を利かせたらしい。

コロレ「ごめん……ありがたいんだけど。 オーナメントは、一緒に選びたい人がいるんだ」

そう……僕は密かに計画していた。

(〇〇さんと一緒に選んだものを……一緒に飾りたい)

コロレ「だって、それがホームパーティの醍醐味でしょ?」

僕は執事に向かってにっこりと笑う。

執事「ホームパーティ……ですか?」

コロレ「そう、ホームパーティ」

(〇〇さんと二人きり……)

(大切な人と一緒に過ごす、クリスマス……)

その時ふと、椅子にかけられたミルクティー色のストールに目がいく。

コロレ「あ、そうだ……」

僕はあることを思いつき、執事にすぐ出かけると告げた。

……

そして、クリスマス当日…-。

〇〇さんと歩きながら、僕はさりげなく声をかけた。

コロレ「あ……〇〇さん、寒くない?」

〇〇「はい、少しだけ……あったかくしてきたつもりなんですけど」

彼女は微笑みながらそう返すけれど、寒さのせいか細い首をすくめている。

コロレ「実は、クリスマスプレゼント……用意してきたんだ」

(……〇〇さん、喜んでくれるかな?)

はやる気持ちで、彼女の首元をベージュのストールで包み込んだ。

〇〇「あれ? これって……」

コロレ「ふふっ……お揃い」

自分の首に巻かれたストールを見せながら、少しだけくすぐったいような気持ちになる。

〇〇「ありがとうございます。嬉しい……」

はにかんだ笑顔から、彼女の喜びがじわりと伝わってくる。

コロレ「よかった。〇〇さんによく似合ってる」

(ほんと……世界一似合ってるよ)

そして部屋に戻った後、二人きりのホームパーティが開催されたのだけれど……

驚いたことに〇〇さんから、とても心のこもった贈り物をもらったのだった。

暖かな手袋のぬくもりのように、僕の心もじんわりと温かくなっていく。

コロレ「やっぱり〇〇さんは、僕を喜ばせるのが本当に上手だね」

〇〇さんが頬をピンク色に染めながら、小さな声で囁いた。

〇〇「コロレさん……ちょっとだけ屈んでもらっていいですか?」

コロレ「……? うん」

なんだろうと思いながらも、僕は膝を折って少し屈んだ。

不意に彼女がストールを掴み…-。

驚く間もなく、頬に柔らかなものが触れる。

コロレ「!」

それが〇〇さんの唇だと気づくまでに、数秒かかって……

(今……キスを……)

〇〇「コロレさんこそ、私を喜ばせるのが上手です。 私、コロレさんとクリスマスを過ごせて、すごく嬉しくて……幸せです。 ……たくさん、喜びました」

心臓がうるさいくらいに音を立てていて、彼女の言葉がなかなか耳に入ってこない。

ただ、僕の頬は自分でもわかるほどに熱くて……

コロレ「僕も今……喜んでる」

(この気持ち……どうしたら……)

コロレ「っていうかやっぱり、僕の方が喜んでる気がするよ」

〇〇「そんなことないです! 私の方が……」

思わず笑い合い、僕はそっと彼女の手を取った。

コロレ「あの……〇〇さん。 今夜、貴方とずっと一緒にいたいんだけど……駄目かな?」

(片時も……離れたくない)

コロレ「幸せのお返し……したいから」

囁きと共に、甘い時間が二人の間に流れる。

〇〇「私も……今夜はずっとコロレさんと一緒にいたいです」

〇〇さんを抱き寄せる。

腕の中の彼女が小さく息を呑み、僕を見上げた。

コロレ「〇〇さん……」

僕は彼女を見つめ、そっと頬にお返しのキスをする。

コロレ「もっともっと……お返し、あげるね」

赤く頬を染める〇〇さんを見つめながら、こめかみに唇を寄せた。

その次は耳たぶに口づけし、まぶた、鼻の頭……と、幸せのお返しを捧げる。

そして…-。

コロレ「大好きだよ……」

ピンク色に染まった唇に、ゆっくりと自分の唇を押しあてた。

うっとりと目を閉じる彼女を、心から愛しいと思う。

外は深く雪が積もり、ホワイトクリスマスとなって……

何度もキスを交わし合う僕達を、優しく包み込んだ…-。

おわり。

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