太陽SS 初めての……

聖堂で〇〇をデートに誘い、城に戻った後…-。

オレは部屋に戻り、パーティの準備を進めていた。

アディエル「もっと飾りを増やすか……あっ、これ曲がってる! 作り直さねえと」

不格好なものを整えたり、新たな飾りを作っていると、やがて厨房から続々と料理が運ばれてきた。

アディエル「お! 美味そうだな」

(オレも手伝ったケーキ、喜んでくれるかな)

テーブルの中央に目立つようにケーキを置き、その周りを料理で埋め尽くす。

仕上げにテーブル全体を金色のリボンで縁取ったところで、オレは大きく息を吐いた。

(よっし……ひとまず、こんなところかな)

そして、大きなクラッカーを一つ手に取って…-。

アディエル「せーの、っと!」

思い切り紐を引っ張ると、大きな破裂音と共に中から色とりどりのリボンや紙吹雪が飛び出してきた。

(すげえ! これなら〇〇も驚くぞ)

オレは急いでクラッカーの残骸を片づけると、そわそわと時計を見つめながら、彼女がやって来るその時を待つのだった…-。

……

やがて控えめに扉が叩く音が響き、オレは扉の陰で身をひそめてクラッカーを構えた。

〇〇「アディエルくん? 入りますね」

扉が開かれた、次の瞬間…-。

アディエル「メリークリスマス!!」

〇〇「!」

オレは勢いよく立ち上がってクラッカーを鳴らす。

予想通り、彼女は目を丸くして驚いているようで…―。

アディエル「へへっ……驚いたか?」

〇〇「すごく、びっくりしました……」

驚いて呆然とする彼女の様子に、満足感が込み上げてくる。

アディエル「この日のために用意させてたんだ」

部屋を見回した彼女は、それから何も言わなかった。

(……もしかして、やりすぎたか?)

急に不安が込み上げ、恐る恐る尋ねてみる。

アディエル「……もしかして、ちょっと引いてるか?」

そうだったらどうしよう、という気持ちからか……オレは彼女の髪についた紙吹雪を払う。

〇〇「いえ。そんなはずないですよ。 本当にびっくりしちゃって。あんまり素敵だから」

(……よかった)

心の中で大きく息を吐いて、オレはソファへと〇〇を促す。

アディエル「ほら、こっち座れよ」

テーブルに並べられた料理を見て、彼女は瞳をきらきらと輝かせた。

〇〇「すごい! こんなにたくさん……」

彼女の弾む声に、オレの胸もつられて高鳴り出す。

(苦労した甲斐があったな)

オレはこれから二人きりで過ごせることに、この上なく心が浮き立つのを感じていた…-。

……

やがて、夜の闇が深くなった頃…-。

オレと〇〇は寄り添いながら、窓の外で楽しげに踊る雪を眺めていた。

(あったけえな……)

細い肩から伝わってくる体温が心地よくて、思わず抱いている手に力がこもってしまう。

アディエル「……あのさ」

気づけばかすれた声が口からこぼれ落ち、その声に反応した彼女の瞳と目が合った。

(もっと…お前に近づきたい)

その想いのままに、オレは彼女の肩から手を離し……今度は頬を包み込んだ。

視線が絡み合い、やがて唇同士が近づいて…―。

(甘い……)

触れ合った唇はどこまでも柔らかく、蕩けるような甘さがした。

(……はっきりとわかる)

(オレ、〇〇のこと……)

ずっとキスしていたい気持ちを抑え、オレは彼女から顔を離す。

アディエル「オレ……お前が好きだ」

胸に溢れる想いがこぼれ落ちるように、オレは自然とそう口にしていた。

アディエル「助けてくれたことへの恩とか、一緒にいて楽しいって気持ちだけじゃねえ。 こうしてるだけで、すげえ心臓がドキドキする……そういう好きって気持ちだ」

(今だって、お前に見つめられるだけで、オレは……)

胸の奥で心臓が強くなっていることを感じながら、問いかけるように彼女の顔を覗き込む。

アディエル「……なあ。そんなふうに思ってるの、オレだけ?」

もうずっと抱いていた想いがはっきりと形づくられて……そう尋ねずにはいられない。

すると、彼女は頬を染めながらも、しっかりと見つめ返してくれた。

〇〇「私も……同じです。 友達思いで一生懸命なアディエルくんのこと、好きだなって思ってたけど……。 今、こんなふうに二人で過ごして……どういう意味の好きなのかがわかりました」

(〇〇……)

一生懸命に想いを伝えてくれる彼女に、愛おしさが込み上げてくる。

アディエル「……ありがとな。 オレ……お前のこと、もっともっと知りたい」

溢れ出す想いを止めることができず、オレは彼女の顔を引き寄せた。

アディエル「お前が大切にしてるものとか、そういうの全部教えてくれねえか?」

(まだ知らないことを、きっとたくさんあるんだろうから)

アディエル「お前がそうしてくれたように……オレもお前が大切にしてるものごと、お前を大事にしたい」

通じ合った想いを確かめるように……オレは、再び〇〇にキスをする。

(……でも、この後ってどうしたらいいんだ?)

ふと唇を離すと、潤んだ瞳に見つめられて、頬が熱くなりそうになる。

そんな顔を見られないように、慌てて彼女を抱きしめた。

(……やばい、なんかわかんねえけど、止められなくなりそうだ……)

(でも……もう少し、このままで……)

柔らかい髪から香る甘い匂いに頭が痺れるような心地がしつつも、オレは胸いっぱいに広がる幸せを噛みしめたのだった…-。

おわり。

<<太陽最終話||月覚醒へ>>