店を半分ほど見終えたところで、私達は休憩しようと、ベンチに腰を下ろした。
○○「まだまだお店はたくさんありますね」
シュニー「そうだね」
私はチョコのアイスを、シュニー君はクレープを…―。
それぞれ買ったお菓子を食べた。
○○「やっぱり、どれもおいしいですね」
シュニー「うん。悪くない味だね。けど……」
クレープを食べつつ、シュニー君は眉をよせる。
シュニー「どれも感動するほどではないね、きっとフロ兄もグロ兄も食べたことがあるだろうし」
○○「お土産なら、皆喜んでくれるんじゃ……」
シュニー「喜ばせたくて買うんじゃないよ、二人を驚かせたいんだよ。こんなお菓子もあるのかってね」
○○「そうなんですね……」
(驚かせたい、か……)
シュニー「見つからない……」
シュニー君は空を仰ぐと、ため息交じりにつぶやいた。
○○「そうですね……」
(会場をくまなく見るといっても、広すぎて全部を食べ比べる訳にもいかないし)
シュニー「ねえ、お前はあのお菓子の中で、どれが好きだった?」
○○「う~ん……チョコかな、最初にもらって食べたチョコも、とってもおいしかったです」
シュニー「確かにあれはおいしかったね。後でお土産に買ってあげるよ」
○○「ありがとうございます」
シュニー「それくらいで喜ばなくたって……」
(なんだかんだ、シュニー君って優しいよね。私の方が年上なのに、色々してもらってばかりの気が……こんなに一生懸命だし、何か手伝えたらいいけど)
○○「そうだ。シュニー君、喉が渇きませんか?」
シュニー「え? うーん……確かに何か飲みたいとは思うけど」
○○「私、何か飲み物買ってきます」
シュニー「買ってくるって……お前が? 別に、今じゃなくても」
(ついでにいいお菓子がないか、見てこよう。シュニー君にしてもらってばかりだから、私も何か役に立たないと)
○○「大丈夫です。行ってきますね」
シュニー「あ、おい……!」
(いい物が見つかればいいな……)
店先に並んだお菓子に、願いを少しだけ込めた…―。