第2話 とびきりのお菓子を求めて

会場内に入り、私はその人の多さに圧倒されてしまう。

色とりどりのお菓子の前に、あちらこちらで行列ができている。

○○「話には聞いていたけど、本当に大きなお祭りなんですね」

シュニー「一年に一度、世界中からいろんなお菓子が集まるフェスティバルだからね……まぁ、スノウフィリアのお祭りに比べたら、格式も威厳も足りないけど?」

そう言いつつも、シュニー君は会場内を忙しそうに見回している。

(本当はすごく楽しみなのかな……?)

その時、私達の前にカラフルなお菓子の包みが差し出された。

お菓子を配る女性「フェスティバルへようこそ。どうぞ」

○○「ありがとうございます」

シュニー君と私は、女性からお菓子を受け取ると、さっそく包みを開く。

中から丸いチョコレートが掌に転がった。

○○「チョコレートだ、シュニー君、食べてみましょう」

シュニー「そうだな」

私達は、さっそくチョコレートを口の中に入れた。

甘く、ほろ苦い味が舌の上で踊る。

○○「っ……」

かじった瞬間、トロエイと甘いチョコレートの液体が口の中に広がった。

○○「おいしい……!」

シュニー「さすがショコルーテ。チョコレートに関しては一流だね」

落ち着いた声で話しているけど、シュニー君のルビーのような瞳はキラキラと輝いていた。

○○「こんなにおいしいお菓子が、他にもたくさんあるんですね」

シュニー「そうだろうね、でも、見つけるのに一苦労しそうだな……」

○○「見つける?」

私の腕を掴み直すと、シュニー君は力強い瞳で私を振り返った。

シュニー「お前は僕から離れて足手まといにならないように」

○○「は、はい……でも、シュニー君。見つけるって一体……」

シュニー「決まっているでしょ。いろいろたべて、一番のお菓子見つけるんだよ」

○○「一番のお菓子?」

シュニー「そう。フロ兄とグレ兄も知らないようなお菓子スノウフィリアに持って帰るんだよ」

歩きながら、シュニー君は注意深く店を見渡している。

(もしかして、お兄さん達に食べさせたいのかな?)

シュニー「お前が見つけたら、下僕から昇格させてやってもいいぞ?」

シュニー君は後ろを振り返り、にやりと笑う。

(下僕よりはいいかな……?)

○○「ありがとうございます」

シュニー「だけど、見つけられなかったら、ずっと下僕のままだけどね」

○○「はい……」

その時、立ち並ぶ店の一角で、蒸し器から湯気が立ち上った。

(あれってもしかして……)

○○「シュニー君。あの湯気がでているの、たぶんおまんじゅうだと思います」

シュニー「え? どこ?」

シュニー君は私が指さす方を向いて、その湯気に目を丸くさせた。

湯気と共に黒糖の甘い香りが私達のもとに届いてくる。

シュニー「あの湯気が?」

○○「はい。たぶん今蒸し上がったんだと思いますよ。シュニー君、おまんじゅうが好きですよね? 食べてみませんか?」

シュニー「そうだな。お前が言うなら、最初はあれにしようか」

○○「はい」

シュニー君に手を引かれ、私達はおまんじゅうの店に向かう。

立ち上がる湯気が、辺りの熱気をさらに上げているように感じた…―。

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