第4話 星空の意味

明るいおしゃべりの声と、コーヒーの香りが私達を包み込む…-。

私とスペルヴィアさんはカフェに入り、コーヒーとデザートを楽しんでいた。

〇〇「そのコート、素敵ですね。星の飾りも珍しいし……」

スペルヴィア「そうなの、そこが気に入ってて。 今回のショーのテーマも、『星空』だしね」

(星空……?)

スペルヴィア「星のモチーフがいろんな形で衣装にまぎれていたり、シックな中にきらりと輝くものがあったり……。 きっとアンタも気に入るわよ」

〇〇「楽しみです。でも、どうして星空なんですか?」

スペルヴィア「……」

スペルヴィアさんはコーヒーを一口飲んでから、視線を上げた。

スペルヴィア「美しい星空を見た時、アンタなら何を思う?」

スペルヴィアさんの言葉に、私は……

〇〇「綺麗だなって、癒されます」

スペルヴィア「わかる。穏やかな気持ちになるわよね」

スペルヴィアさんは私の答えに、納得したように微笑んだ。

スペルヴィア「ワタシ、星が好きなの。 罪過の国って、曇っている日が多くてあんまり星が見えないから。 だから、たまに他の国に来ると、嬉しくなる。 空を見上げると、たくさんの星が輝いてて……」

スペルヴィアさんはまるでそこに星空があるかのように、天井を仰いだ。

スペルヴィア「気分が落ち込むことだってあるけど、星を見ると心が明るくなる」

優しく目が細められて……

その眼差しがゆっくりと下り、私に留まった。

スペルヴィア「今回のファッションショーで、皆がそういう気持ちになれたら素敵だと思わない?」

小首を傾げるスペルヴィアさんがとてもまぶしくて…-。

私は素直に頷いていた。

スペルヴィア「そういうのもあって、本職のモデルだけじゃなくて、王子もモデルとして呼んでるの。 王子って、夢や希望を与えられる存在であってほしいじゃない。 晴天の夜に輝く星みたいに、皆の目に映ればいいなって…-。」

(スペルヴィアさん、そんなことまで考えて……)

傲慢な官吏らしい普段の彼とは違う言葉に思わず目を見開くと……

それに気づいたスペルヴィアさんが、ふっと笑って肩をすくめる。

スペルヴィア「ま、今のは後づけの理由。ワタシはただ、どんよりしたのが嫌いってだけなの」

声を弾ませたスペルヴィアさんは、小さなスプーンでシャーベットをすくった。

(もしかして、照れ隠し……?)

スペルヴィア「で、アンタはどんな服が好き?」

すぐに話題を変えたスペルヴィアさんだったけれど……

彼の心に少しでも触れられた気がして、私の胸はほんのりと温かくなった…-。

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