第1話 意外な訪問者

空に浮かぶ太陽と月が、不思議な輝きを放っている…-。

(綺麗……)

宿泊先の窓から見える幻想的な空に思わずため息が漏れる。

太陽と月が同時に昇る今は、夢の力が高まると言われていて、各国が集まり夢の力を集結させるための催し『ワールドサロン』が、ここで行われている。

(どのパビリオンも、すごく面白そうだな)

パビリオンでは各国の特産品や催しなどが見られるらしく、遠くに見える建物を眺めながら、どこから回ろうかと迷っていると、扉がノックされた。

(誰だろう? 皆はパビリオンを回ってるはずだけど……)

扉を開けると、そこにいたのは…-。

〇〇「紫雨さん、どうしたんですか?」

彼は遠慮がちに口を開く。

紫雨「〇〇は、行かないの?」

〇〇「いえ。どこから回ろうかなって思って……」

外から賑やかな音楽が聞こえてくる。

紫雨「楽しそうだね」

二人で窓の外に視線を移すと、赤や青、黄色に紫……色とりどりの風船で作られたアーチの下を、楽しそうに通る人々の姿があった。

すると……

紫雨「……ねえ、せっかくだから……僕と一緒に会場を見て回らない?」

〇〇「え……?」

(紫雨さんが誘ってくれるなんて)

驚きと嬉しさが混ざり合って、言葉が上手く出てこない。

紫雨「そんな気分じゃ……ない?」

〇〇「いえ、嬉しいです。見て回りたいって思っていたので」

素直な気持ちが口からこぼれ落ちた。

紫雨「なら一緒に出かけよう」

〇〇「はい」

紫雨「君と二人で歩けるなんて……嬉しいな」

彼はぽつりとそう言って、はにかむ。

陽だまりのような笑顔が、私のためらいを解きほぐしていった…-。

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