第3話 レストランでのサプライズ

翌日…-。

アルマリに誘われ、二人で街に出かけることにしたけれど…-。

アルマリ「〇〇、見て。あの店、綺麗な石がいっぱい」

〇〇「あ……本当、綺麗だね!」

アルマリ「……見に行ってもいい?」

ぐっと近い距離で私の顔を覗き込んだアルマリの瞳は、きらきらと輝いていた。

〇〇「もちろんだよ!」

彼に手を引かれ、店へと入ってみると……

アルマリ「ほら、僕の国の宝石みたい……きらきらしてる」

〇〇「すごいね……」

そこにはさまざまな置物に混ざり、小さなライトストーンで作られた青いブローチが飾ってあった。

空の色をしたような青は、さっき見たアルマリの瞳の輝きにも似ている。

〇〇「ガラスかな? それとも宝石?」

アルマリ「わからないけど、すごく綺麗だね」

二人してガラス窓を覗き込んでは、あれが綺麗これが素敵と話が弾む。

そんな中、アルマリが私の顔を見てふと微笑んだ。

アルマリ「なんだか君とこうして過ごす時間って、のんびりできていいね?」

吐息がかかるくらい近くで、そっと私の耳元に囁かれた彼の言葉に…-。

〇〇「っ……」

耳がくすぐったくて、私は思わずうつむいてしまった。

アルマリ「え……? あっ、ごめんね。近づき過ぎちゃった?」

屈託のない、純粋な瞳が私を見て細くなる。

〇〇「……」

アルマリ「……」

言葉のいらない穏やかな時間が私達の間に流れる。

(見つめられると少しだけ恥ずかしいけれど……)

(でも、アルマリと一緒だと、なんだか落ち着く)

アルマリ「ねえ、〇〇。今度は向こうの方に行ってみよう? さっき、大通りの方に素敵な花屋があったから」

〇〇「花? 見てみたい」

窓を離れれば、またアルマリの手が自然と私の手に重なる。

温かくて柔らかい、私より少し大きいアルマリの手……

アルマリ「〇〇、こっち」

〇〇「うん……!」

彼がくれる穏やかな時間が、私の胸を温かくしてくれた…-。

……

こうして日々を過ごしていたある日のことだった。

二人で向き合ってホテルのレストランで食事を取っていると……

〇〇「!?」

急に照明が落とされて、どこからか華やかな音楽が流れてきた。

(なんだろう?)

アルマリ「あ……見て、〇〇」

アルマリの視線をたどると、その先には……

〇〇「あ……」

その先で火花を挿したデコレーションケーキを手にしたウェイターさんが、あるテーブルの若いカップルの前で立ち止まった。

ウェイター「特別な日に特別な思い出を。こちらは目の前の男性からのプレゼントでございます」

男性「日頃の感謝を込めてね。さあこの花束を受け取ってくれ」

女性「まぁ……ありがとう」

女性は男性から嬉しそうに両手いっぱいの花束を受け取る。

それを見た私は……

〇〇「素敵……」

アルマリ「うん……」

私の言葉に返事をしながらも、アルマリはぼんやりと恋人達を見つめたままだった。

その時…-。

レストランの照明が戻り、アルマリは近くにいたウェイターさんに声をかけた。

アルマリ「今のは記念日か何かなの?」

ウェイター「はい。今のはですね……お客様、少々お待ちくださいませーー」

背の高いウェイターさんは一度その場を離れ、革製のメニューブックを持ってこちらへ戻ってきた。

そこに記されていたのは、さまざまな『おもてなし』のメニューだった…-。

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