第4話 アヴィの気持ち

メディさん、ルークさんとくれば、次にナビットくんが指名したのは…―。

ナビット「……アヴィ王子! 僕はどうしたら王子様になれるの!?」

アヴィ「次は俺か。けど、王子って、なろうったってなれるもんじゃ……」

ナビット「わくわく♪」

アヴィ「……! そんな目で俺を見るな」

ナビットくんのつぶらな瞳に、アヴィの右手が迷いながら彼の頭を撫でようと伸びる……

メディ「時には、素直になることも大事だよ、アヴィ君! 存分に彼をもふもふするといいよ」

アヴィ「……っ、違う! 俺は……」

伸ばしかけた手を戻すと、アヴィは一つ咳払いをした。

アヴィ「わ、わかった。いいか、王子っていうのはだな…―。 国の誰よりも、国民の幸せを願い、国のためを思い、日々努力を惜しまない存在だ。 厳しい剣術の修行に耐え、時には街に出て国民の話に耳を傾ける……それが大事なんだ」

ルーク「さすがアヴィ!」

○○「すごい……」

メディ「模範的な解答だね」

アヴィの真面目な語りに、揃って拍手が送られる。

だけど、そんな私達の横でナビットくんは首を傾げる。

ナビット「ポケットランドでも、剣術って必要?」

アヴィ「ああ、必ず役に立つと思う。 お前にだって、守りたいものとか、大事にしたいものとかあるだろ?」

ナビット「……」

じっとアヴィを真正面から見つめて、ナビットくんが大きく頷く。

ナビット「うん! 僕、ポケットランドのみんなのこと大事にしたい……。 みんなの笑顔を守りたいよ!」

アヴィ「……そうだろ、大切なのはそういう気持ちだ」

ふっとアヴィの表情が和らぐ。

そしてその場にいた誰もが、ナビットくんを見て口元をほころばせたのだった。

ナビット「えーと、つまり王子様になるには、芸術と、優しさと、強さが必要なんだね。 ねぇねぇ、○○お姉ちゃん!」

○○「え? 私…―!?」

不意に、ナビットくんの瞳が私に向けられる。

ナビット「僕が王子になるためには、あと何が必要だと思う?」

かわいらしい上目使いで問われて、私は……

○○「やっぱり、かっこよさかな?」

ナビット「うん♪ ……みんな、すっごくかっこいいもんね! うん、よーくわかった! みんな、ありがとう! 僕も、必ず、立派な王子になるから、きっと待っててね♪」

○○「うん、頑張ってね」

メディ「いついかなる時も、芸術を愛する心を忘れないんだよ」

ルーク「他人を思いやる優しさもですよ」

アヴィ「お前ならきっとできる」

ナビット「うんっ!! よ~~し、やっるぞーーー!」

両手を勢いよく振り回し、ナビットくんはその場から去って行った。

(これでよかったのかな……?)

無邪気な彼を応援するように、空は雲一つない晴天を見せるのだった…―。

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