月5話 狙った獲物は逃がさない

冷たい風が足元の落ち葉をさらっていく…-。

あれから必死でユリオ君のスマホを探し回ったけれど、見つけることができなかった。

ユーリ「影も形もねえ……どーすんだよ」

〇〇「誰かが持って行っちゃったのかな」

ユーリ「クソッ……珍しい写真撮って、じいちゃんに見せてやろうと思ったのに」

深いため息を吐くユリオ君の髪が、夕日に照らされて輝いている。

(突然この世界に飛ばされて、泥でできたファンに追いかけられて……)

(大事にしてたスマホまで失くしちゃうなんて)

憂いに満ちた横顔を見ていたら、胸が痛んでしまった。

〇〇「ユリオ君、疲れたでしょう? 先に宿に戻ってて」

ユーリ「あ?」

〇〇「私、もう少し探してみるから」

ユーリ「なんで?」

〇〇「なんでって……」

ユーリ「俺のスマホだし。でしゃばってんじゃねーぞストーカー」

〇〇「だから私はストーカーじゃ…-」

その時……

私とユリオ君の間から、灰色の泥の手(?)がぬっと伸びた。

〇〇「……っ!?」

ユーリ「うわっ! びっくりさせんじゃねーよ」

泥「……これ……」

泥の手(?)が開かれたそこに、求めていたユリオ君のスマホがあった…-。

<<太陽SS||月最終話>>