月9話 友達

美しい木の葉を魚がついばみ、湖面が丸く揺れる。

私達は手を繋ぎ、柔らかな風を受けながら湖の周りを歩いていた。

ケロタ「あ~……バイバイ美女魚ちゃ~ん……!」

湖の向こう側から、ケロタがこちらへ向かって飛んでくる。

ケロタ「……遠くへ行き過ぎたか」

ビッキーさんの方に着地すると、ケロタは決まり悪そうに腕組みをした。

ケロタ「その……さっきは悪かったな」

ビッキー「……ケロタ……」

ケロタ「言い過ぎた。オマエのせいじゃないのにな」

その言葉を聞くと、ビッキーさんはにっこりと笑みを浮かべた。

ビッキー「ケロタ、なんの話だい?」

いつものように悲しかった気持ちを誤魔化そうとする彼に、そっと視線を送った。

私の視線を捉えると、ビッキーさんは決まり悪そうに目を閉じる。

やがて大きく息を吸い、ビッキーさんはケロタの瞳を見つめた。

ビッキー「……本当言うと、まあ、少し堪えた……かな」

ケロタは、驚いたように目を見開く。

ケロタ「……悪い」

やがて嬉しそうに笑みを浮かべると、ケロタはビッキーさんに大きく笑いかけた。

ケロタ「ま~、長い付き合いだし、友達なら喧嘩もするよな!」

ビッキー「友達……?」

ビッキーさんは、驚いたように、その言葉を口の中で繰り返す。

そんな彼の頬を叩き、ケロタが楽しそうな笑い声を上げた。

ケロタ「ほら行くぞお二人さん。ところで、いつの間にお手て繋いでんだ?」

〇〇「あ……!」

ケロタにからかわれるような瞳で見つめられ、私は慌てて手を離す。

頬を撫でる風が、とてもくすぐったく感じられた…-。

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