月5話 川の幸を目指して

五感で楽しむ花の膳のヒントを探して、たどり着いた場所……

それは、観桜会の会場近くの川だった。

ネペンテス「実は、街の噂で聞いたのですが……」

語り出すネペンテスさんの瞳が、にわかに輝きを帯び始める。

ネペンテス「ここにはサクラナマズ、サクラドジョウ、サクラガエルなどの生き物がいるそうです。 さぞかし色も香りも花のような珍しい食材なのでしょう!」

(聞いたことのない名前だけど……本当にそんな生き物がいるのかな……?)

私はそっと流れる川を覗き込む。

澄んだ川は底まで綺麗に見えていて、とても生物の気配は感じられなかった。

(本当に、こんなところにいるのかな?)

けれどそんな私の心配をよそに、ネペンテスさんは舌舐めずりを繰り返す。

ネペンテス「塩焼き、酒蒸し、活け造り、どれもおいしそうですね。 ああ、考えるだけで頬が緩んでしまいます……」

(でも……ネペンテスさんは力仕事は苦手だったはず)

(釣り道具もないみたいだし……)

〇〇「あの、どうやって捕まえるんですか?」

恐る恐る、恍惚とした表情のネペンテスさんに問いかける。

すると、彼は妖しく八重歯を覗かせて……

ネペンテス「ふふ、見ていてください」

そしてそのまま川の近くまで歩いて行くと……

ネペンテス「こうするんですよ」

〇〇「えっ!?」

なんとそのまま、川に飛び込もうとするのだった…-。

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