月6話 彼の鼓動

ぬかるみに足を取られ、私は転んでしまった。

桜花「○○さん、大丈夫ですか!?」

すぐに駆け寄ってきてくれた桜花さんが私の体を起き上がらせてくれた。

○○「だ、大丈夫です・・・・ありがとうございます」

(そうだ、薬草・・・・!)

手のひらを確認すると、薬草がしっかりと握られていた。

(よかった、薬草は無事だ・・・・)

○○「桜花さん、薬草は大丈夫みたいです」

桜花さんの笑顔が見られるかと思ったけれど・・・・

桜花「薬草よりも、あなたの方が心配です!」

彼は、珍しく怖い顔をしていた。

○○「ご、ごめんなさい・・・・」

桜花「怒ったわけではありません、私はただ・・・・」

桜花さんは何かに気づくと、はっと大きく目を見開いた。

(桜花さん?)

次の瞬間・・・・ー。

(えっ・・・・!?)

私の腰に桜花さんの腕が回され、体がふわりと宙に浮いた。

○○「・・・・お、桜花さん?」

桜花「○○さん、足を怪我しています」

(怪我?)

言われて初めて、痛みを感じた足には、擦り傷ができていた。

桜花「すぐに城へと戻りましょう」

桜花さんは険しい表情で、私を見つめる。

(私のために、こんなにも必死に・・・・)

彼の胸に、そっと顔を埋める。

○○「ごめんなさい・・・・」

桜花「あまり心配をかけないでくださいね? 本当に・・・・心臓に悪い方です」

優しい声と共に、私を抱く力が強くなる。

彼の鼓動を感じながら、私はそっと瞳を閉じた・・・・ー。

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