月6話 甘い香り

扉がゆっくりと開く音を聞きながら、私は慌てて白紙のカードに一言だけメッセージを記す。

なんとか最後の文字まで書き終え、私はとっさに服のポケットにカードを隠した。

(……間に合った)

シュニ―君の足音が聞こえた方へ椅子を向けると、彼はすぐ傍に来ていた。

(あれ……?)

ふと、甘い香りがシュニ―君の方から漂ってくる。

〇〇「あれ、シュニ―君……甘い匂いがします」

シュニ―「! 気のせいじゃない?」

シュニ―君は一瞬目を見開いたけれど、次の瞬間すっと顔を逸らしてしまう。

するとまた、ふわりと甘やかな匂いに鼻をくすぐられた。

〇〇「でも……」

(なんだろう、お菓子みたいな匂い……?)

シュニ―「ちょっと、何やってるの!」

シュニ―君がぱっと、私から距離を取る。

(なんの匂いだろう……)

なお首を傾げていると、彼はそんな私を見てため息を吐き…-。

シュニ―「はあ……もう少ししてから渡そうと思ったのに」

少し悔しげに眉を寄せて、小さな肩を落とすのだった…-。

<<太陽SS||月7話>>