月6話 終わりの時間

丘の向こうに沈んでいく太陽が、まばゆい光を放っている。

イリアさんが、手の中の懐中時計を強く握った。

イリア「申し訳ありません、○○様」

本当に申し訳なさそうに、言葉を続ける。

イリア「母上との約束は守らなければなりません」

○○「謝らないでください」

イリア「また機会があれば、一緒にあの丘へ行ってくれますか?」

肩を落とす彼に、私はにっこりと笑いかける。

○○「はい、是非!」

イリアさんがほっとしたように息を吐く。

そして、懐中時計に目を落とすと、静かにその蓋を閉じた。

イリア「約束した時間より遅くなってしまいました・・・・・・」

○○「王妃様がお待ちですね・・・・・・急ぎましょう」

もう一度だけ名残惜しそうに丘を見上げると、イリアさんが城に向け歩き出す。

(いつか、また・・・・・・)

夕日がイリアさんと私の影を映し出す。

二つ並んだそれをずっと見ていたかったけれど、

夜の到来が音も無くそれを飲みこんでしまうのだった・・・-。

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