月6話 豊かな表情

アディエル「今夜……オレとデートしてくれねえか? 少なくともオレは……お前と、もっと先に進みたいって思ってるから」

アディエルくんの真摯な言葉に、胸が温かな気持ちでいっぱいになる。

〇〇「……はい、ありがとうございます。私でよければ喜んで。 私も、アディエルくんのことがもっと知りたいから」

そう言って頷くと、彼は嬉しそうな笑みを顔いっぱいに広げた。

アディエル「……やったぜ!」

アディエルくんの大きな声が、厳粛な雰囲気を湛える聖堂内に反響する。

神官「どうかされましたか?」

アディエル「あ……」

それはどうやら奥の部屋まで届いたらしく、神官さんが慌てて様子を見に出てきて…-。

アディエル「違うんだ、その…-」

〇〇「ご、ごめんなさい。なんでもありません」

神官「はあ……ならいいのですが」

神官さんは不思議そうに首を傾げながらも、それ以上は追求せずに戻っていった。

アディエル「ごめん。お前にまで恥かかせちまって……」

アディエルくんは小さな声でそう言うと、申し訳なさそうに肩をすぼめる。

〇〇「いえ。平気ですよ」

アディエル「ったく……何やってんだろうな、オレ」

彼は自嘲するかのように眉を下げ、口元を歪めて苦笑いした。

アディエル「けど、デートでは絶対今みたいなことしねえから。 約束するよ。だから期待しててくれよな」

表情を引きしめてそう言ったかと思えば、最後は照れ臭そうにはにかむ。

そのくるくる変わる表情に、私は愛おしさを感じていた…-。

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