月6話 捨てられたブーケ

そして、夜は明けた…-。

天より光の指す祭壇で、今、私は女神の祝福を受けようとしている。

人払いがなされた祭壇の中央には、先日私へ洗礼を授けた神官が立つ。

そして横には…-。

オルガ「……」

尊大な笑みを浮かべたオルガさんの姿があった。

アフロスの神官「あなたはこの者・オルガを夫とし、生涯、愛することを誓いますか?」

〇〇「私は……」

(もし、この先を口にしてしまったら……)

そう考えると、言葉が喉元より外に出ない。

ただ悲しみだけが胸にあふれてきて、視界が涙に溶けてゆく。

〇〇「……すみません! あなたじゃない!!」

オルガ「な! 姫君……っ!?」

悔しさとも切なさとも知れない気持ちに、ブーケを投げ捨てる。

その場からそのまま走り去ろうとすると……

〇〇「……!」

すぐさま目の前をオルガ一族の兵士達により塞がれた。

オルガ「姫君、これは女神の神託だと言っただろう……少し思い知らせてやらないといけないな」

〇〇「……」

オルガさんの大きな体が、私ににじり寄る。

苛立ちを含んだ声と、にやついた笑みが近づいてくる。

(怖い……)

(助けて……アヴィ!)

祈るような気持ちで、目を閉じたその時、神殿の扉が開け放たれると、その場にはアヴィが立っていた…-。

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