月5話 果たせぬ力

アインツ「やああああっ!」

金属がぶつかる、激しい音が聞こえて……

歓声が、わき上がった。

アインツ「…………」

震える手を抑えて、アインツさんは相手に弾き落とされた剣を見下ろした。

アインツ「負けたのか……オレは……」

(アインツさん……)

力なく立ちつくす彼の後ろ姿に、私の胸が締めつけられた。

(アインツさん、大丈夫……まだ、試合は残ってます……)

(頑張って……!!)

私は胸の内で、彼の勝利を祈った。

……

成績が振るわないまま、最後の競技に差し掛かった。

アインツの友達「アインツ、大丈夫か?」

アインツ「あ、ああ……」

アインツの友達「お前らしくないな。いつもの勢いはどうした?」

アインツ「……」

アインツの友達「最後くらい、彼女に見せてやれよ。お前のかっこいいところ」

観客席にいる○○を見つめて、アインツは眉を寄せた。

アインツ「わかってる……ちゃんと見せて、伝えたい事があるんだ……アイツに……」

そしてまた、競技開始のアナウンスが流れる。

アインツは、剣の柄を強く握りしめた。

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