月6話 張り裂けそうな胸

ヴァイリーさんを救いたくて、私は真実の愛について考えを巡らせた。

(もし私のこの想いが真実の愛、なら…-)

けれど不意に、暗いもやが心を覆い尽くした。

(どうして……呪いが解ける兆しすらないんだろう)

(私の想いは、『真実の愛』じゃないってこと?)

救いたいと強く願っているはずなのに、彼を救うことができていない。

(じゃあ……私にできることは…-)

歯がゆさと絶望感に打ちひしがれていると……

ヴァイリー「なんで……オマエが泣きそうになってるんだよ」

ヴァイリーさんの困ったような声が聞こえてくる。

〇〇「え…-」

そこで初めて、目の縁に涙が溜まっていることに気づいた。

ヴァイリー「どうしてそんな顔するんだよ」

〇〇「……ヴァイリーさんの力になれていないことが、悔しいんです。 それに…-」

―――――

ヴァイリー『ああ。残された時間は少ないかもしれねえけど、オレは王子としてこの国に何かを残したい』

―――――

あの時の言葉が、胸をひどく締めつける。

〇〇「それに……ヴァイリーさんも、もう諦めているように見えて」

ヴァイリー「〇〇……」

声を詰まらせながらそう言うと、彼は切なげな微笑みを浮かべた…-。

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