月6話 聞こえた声

城に滞在して数日が経ち…-。

私はまだ、フレイヤさんとゆっくり話をできていなかった。

(仲良くなれたらいいんだけどな……)

ぼんやりとそんなことを考えながら、城の庭を歩いていると……

??「お兄様は、あの方のことばかり……!」

(この声は、もしかして……)

聞き覚えのある声の方へと向かうと、ジークさんとフレイヤさんの姿があった。

その声の大きさから、何か言い争いをしているようで…-。

ジーク「それは、私にとってプリンセスは大切な方だからだと何度も…-」

フレイヤ「それでも……嫌です!」

聞いてはいけないと思いながらも、私はその場から動けずにいた。

ジーク「どうか理解してください。 フレイヤもいずれ、たった一人……すべてを捧げたいと思う特別な相手と出会うでしょう。 プリンセスを想う私と同じように、その相手もフレイヤを愛し、守り、支えてくれるはずだから…-」

フレイヤ「お兄様……」

フレイヤさんの声が微かに震えている。

フレイヤ「……そんな、ひどいわ」

消え入りそうな声でつぶやくと、フレイヤさんが踵を返し……

(あっ……)

そのまま、私がいる方へ駆けて来た。

フレイヤ「……!」

私がいることに気がつくと、フレイヤさんの目が大きく見開かれる。

その瞳は、今にも涙がこぼれ落ちそうなほど潤んでいた…-。

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