第2話 新しい友達

カノトさんに手を引かれ、部屋へ行ってみると……

(え……?)

そこには、なぜか豪華な宝石や美しい着物がたくさん積み上げられていた。

◯◯「……こんなにたくさん、どうしたんですか?」

(カノトさん、こういうの好きだったっけ……)

そう思い、首を傾げていると……

カトさんは嬉しそうに微笑みながら、転がっていた真珠のアクセサリーを手に取った。

カノト「多分、この間一緒に遊んだ子が、くれた」

◯◯「一緒に遊んだ子……? 子どもが贈りものをくれたんですか?」

(それも、こんな豪華な……)

カノト「うん。そう」

◯◯「もしかして、親戚とか……?」

カノト「違う……知らない子」

(そんな……)

◯◯「お城の人は、このことを知ってるんですか?」

不安になって尋ねてみると、カノトさんはのんびりと首を横に振る。

カノト「誰も知らない……あの子、すぐ消えちゃうから。僕以外、会ったことないと思う」

(消えちゃう?)

(……それって、まさか……)

思い当たることが一つだけあって、私は思わず目を見開く。

そんな私には気づかずに、カノトさんはいつもよりもきらきらした笑顔を見せた。

カノト「笛、聞かせてあげた……喜んでくれた。 新しい友達……嬉しい」

◯◯「そっか……よかったですね」

カノト「うん!」

(でも、それってやっぱり……)

話を聞いているうちに、さっき浮かんだある考えが正しいように思えてきた。

◯◯「カノトさん。もしかしてその子どもって、物の怪じゃないですか?」

カノト「物の怪?」

小さく首を倒して、カノトさんは不思議そうな顔をする。

◯◯「この時期は物の怪が通るんですよね? 私の元いた世界の話ではあるんですけど……似たような妖怪がいたんです。 子どもの姿をした妖怪で、住みついた家に幸運をもたらすと言われていて……。 『座敷童』って言うんです」

カノト「へえ、ザシキワラシ……。 その子、いい子?」

◯◯「はい。とってもかわいらしい妖怪だって言われています」

カノト「それなら、そうかも」

嬉しそうに目を細めながら、カノトさんは手に取った真珠のアクセサリーを眺める。

細くしなやかな指で真珠を愛でる姿はとても美しくて、思わず見とれてしまった。

けれど、その時…ー。

◯◯「……?」

部屋の片隅で物音と気配がして、私はそっと振り返った…ー。

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