第1話 魔法の街で

魔法の国・ソルシアナ、彩の月…-。

澄み渡る青空を、箒に乗った街人が飛び交っている。

(本で読んだ世界が目の前で広がってるみたい)

通りを歩きながら、心躍らせた。

街道で大道芸人さんが手を振り上げると、小さな花火が青空を彩る。

(綺麗……!)

美しい魔法に見入ってると……

不意に、私の視線が遮られた。

(え……?)

街の男「あれ~? 君一人~?」

ニヤニヤしながら笑みを浮かべた背の高い男性が、私の顔を覗き込んでいた。

街の男「よかったら一緒に遊ばない?」

○○「わ、私はこれからお城へ行かないといけないんです」

街の男「お城~? そんなつまんないとこ行かずにさ、もっと楽しいことしようよ」

(ど、どうしよう)

男性の手が、私の肩に回されかけた時……

??「ごめんねー、彼女はオレの先約だから」

明るい声と共に、後ろから伸びた力強い腕が私と男性を引き離した。

ミヤ「やあ、○○ちゃん。待ち遠しくて迎えに来ちゃった」

○○「ミヤ王子!」

私をこの国へ招待してくれたミヤ王子が、満面の笑みを浮かべていた。

街の男「なんだよ、ミヤの連れか」

ミヤ「そうそう! 彼女はオレの恩人だからさ」

街の男「わかったよ。その代わり、今度何かおごれよ」

ミヤ「はいはーい♪」

男は困ったように笑って、そのまま去っていった。

呆気に取られた私に、ミヤ王子が明るく話しかける。

ミヤ「驚かせちゃってごめんね! あいつさ、女の子大好きで。根はいい奴だから、許してあげて?」

○○「はい……わざわざ迎えに来てくれてありがとうございます」

そう言うと、ミヤ王子は困ったように笑った。

ミヤ「あははっ! 堅苦しいのは無しだよ!! ミヤって呼んでよ、○○ちゃん?」

○○「じゃあ、ミヤ……?」

ミヤ「そうそう、そっちの方が、オレは嬉しいな!」

太陽のようにまぶしく、ミヤが笑う。

けれど私はまだこの時、この笑顔の裏にある陰りを知らなかった…-。

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