第1話 二人の歩幅

武器の国・アースガルズ、凪の月…―。

この国で行われる闘技会に来賓として招待された私は、会場の前でユリウスさんと待ち合わせをしていた。

本番を控えた会場では、準備をする方達が忙しそうに動き回っている。

??「○○」

よく知った声に名前を呼ばれて振り向くと、ユリウスさんがこちらに歩いてくるところだった。

○○「ユリウスさん……!」

青の装いに身を包んだ彼は、剣士という言葉がよく似合っている気がした。

ユリウス「待たせたか?」

○○「いえ。大丈夫です」

ユリウス「そうか。ならよかった。 闘技会の説明が長引いて、待たせてないか不安だったんだ」

そう言って、ユリウスさんがはにかむような笑みを見せる。

ユリウス「じゃ、行くか」

歩き出すユリウスさんを小走りで追いかけると……

ユリウス「……悪い」

○○「あ、いえ……」

私の歩幅に合わせてゆっくり歩いてくれる優しさに、頬が緩む。

ユリウスさんはそんな私を見て、照れくさそうに首の後ろを掻いた。

ユリウス「今回は、アースガルズの王家から、オレに闘技会に出てくれって話があってさ」

○○「そうだったんですね。今回の闘技会は新しい試みがあるって聞いてたんですけど……」

ユリウス「ああ。その説明を受けてたんだ。 ここでは詳しく話せないけど……新しい武器を開発してて、それのお披露目ってことらしい」

○○「新しい武器……」

(どんな武器なんだろう?)

まだ見ぬ武器に想像を巡らせながら、私達はアースガルズの城へと向かった…―。

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