第5話 盗られたものは?

それから、数日…-。

○○「アルマリ、すごいね……こんなに早く最終課題にたどり着くなんて」

私は、アルマリとの修行の日々を思い返す。

見張りから華麗に逃げ切るという身体能力を問われるものから、素敵な予告状の作り方という座学まで、いくつか苦手そうなものはあったものの、彼は一生懸命課題をこなしていた。

執事「さすがはアルマリ様です」

今日まで私と一緒に彼を見守っていた執事さんが目を細める。

アルマリ「ありがとう。でも、僕だけの力じゃないよ。二人が応援してくれるのが、すごく嬉しかったから……」

(アルマリ……)

――――――――

アルマリ「僕、やっぱり怪盗に向いてないのかも。 トルマリとトトリさんには悪いけど……辞めるって言ってみようかな」

○○「でもトルマリ達は、きっとアルマリができると思ったから一緒にやろうって言ったんじゃないかな。 だから、もう少しだけ頑張ってみない?」

執事「○○様のおっしゃる通りです。アルマリ様はきっと立派な怪盗になれますよ」

――――――――

私と執事さんは、アルマリがくじけそうになる度、彼を励ましていた。

○○「頑張ってね。最後の修行も、きっと今までみたいにこなせると思うから……」

アルマリ「うん、ありがとう。 最初はどうすればいいかわからなくて困っちゃったけど……君に来てもらって本当によかった」

お礼をいうアルマリに、私は…-

○○「どういたしまして。それに私こそありがとう。 アルマリの頑張る姿を見ていたら、たくさん勇気をもらえたような気がしたから」

アルマリ「本当?そっか……嬉しいな」

心の底から嬉しそうに、アルマリが微笑む。

アルマリ「それじゃあ、最後の課題を見てみようか」

私達は本を開き、最後のページを見る。

そこには…-。

アルマリ「『これまでに得た知識や技を駆使して、最終課題を乗り越えよ』『怪盗たるもの、盗られたものを盗り返せ』……?」

(なんだか難しそうな課題……)

アルマリ「盗られたもの……か」

○○「大切なものであるほどいいって書いてあるね」

アルマリ「大切なもの……」

アルマリは顎に手をあてながら、じっと考え込んでいる。

けれど、すぐに私をまっすぐに見つめ……

アルマリ「僕にとって大切なもの、それは……」

○○「……っ!」

透き通るように綺麗な瞳が、私を捉えて離さない。

(アルマリにとって大切なものって、もしかして……)

アルマリの真剣な眼差しに射抜かれて、ドキドキと高鳴る胸の鼓動を落ち着かせながら、私は彼から紡がれる次の言葉を待ったのだった…-。

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