第1話 黄昏の君

オーロラの国・セイトス…-。

私は黄昏色に染まる街を見つめていた。

〇〇「まだ、オーロラは出ないのかな……」

この国で起きた、いろいろなことを思い出す。

崩壊しかけた街を復興させようと、街の人々は毎日頑張っている。

(早く、もとの元気な街に戻れたらいいな)

メディ「ハニー、ここで何をしているのかな?」

私の横から顔を覗かせると、メディさんはいつものように優しく微笑んだ。

〇〇「メディさん」

メディ「のんびりしていると、すぐに眠る時間が来てしまうよ」

〇〇「眠る時間……」

顔を上げると、地平線の向こうに夕陽が沈みかけていた。

メディ「睡眠不足だと、怒られてしまうからね!」

〇〇「もしかして、白葉さんにですか?」

メディ「そういうことだね」

メディさんはわざとらしく肩をすくめて、目配せする。

メディ「ハニーが眠るまで、ボクが美しい子守唄を歌ってあげたいところだけど……。 残念ながら、今日は難しそうだ。 ハニーがいい夢を見られるよう、この黄昏の空に願っておくよ」

思わず笑いそうになり、私は口を手で覆う。

〇〇「わかりました。お部屋に戻りますね」

メディ「そうだね。いい夢を、マイスウィートハニー」

肩に手を置くと、メディさんは私にウインクしてみせる。

〇〇「はい。メディさんも」

メディ「もちろん!」

メディさんに挨拶をして、私は宿へと歩き出した。

(メディさんはいつも明るいな。私まで元気をもらえた気分……)

心に、温かい灯がともったような気がした。

その時になって、メディさんの言葉が頭に引っかかる。

(今日は難しいって言っていたけど……)

(そう言えばメディさんはどうして外に?)

ふと気になり、振り返ると…―。

メディさんは宿に戻らず、そのままどこかへ歩いていく。

〇〇「メディさん、どこへ……?」

空一面に広がる夕焼けが、小さくなっていく彼の背中を淡く照らしていた…-。

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