第5話 船上ディナー

オークションで手に入れた高価な宝石を、マルタンさんは私にプレゼントしてくれた。

マルタン「○○ちゃんも、俺に素敵な思い出をちょうだいね」

そんな意味深な言葉と共に…-。

クルーザーに戻る頃には、ちょうど日も暮れ始めていた。

マルタン「さ、ここからが本番だよ。 そろそろおなかも減っただろう?ディナーにしよう」

夕陽を見ながら船上で楽しむ豪華ディナーに、私はまたしても歓喜の声を上げた。

ロブスター、キャビア、フィレ肉など次々と運ばれてくる料理のどれもが絶品だ。

○○「すごくおいしいです……!」

蕩けそうな頬を押さえながらそう言うと、マルタンさんがにっこりと微笑み返してくれる。

マルタン「君は本当にかわいらしいなあ」

マルタンさんの方は料理には手をつけず、ゆっくりとしたペースでワインを飲んでいる。

その様子に、私は……

○○「かわいらしいだなんて……か、からかってるんですか……?」

マルタン「まさか。心から思ってるよ。 俺はありのままの○○ちゃんを見ていたいんだ。 年相応にはしゃぐところも、背伸びしようと頑張っているところも、全部が愛しい」

○○「マルタンさん……」

マルタン「でも……。 こんなふうに近くで過ごせると、ちょっと欲が出ちゃうな」

○○「え……?」

マルタン「君は成長途中だから、これからもきっと綺麗になるだろう。 だからこそ……今の君のすべてを見ておきたいと思ってしまう」

(それって……)

マルタンさんの熱い眼差しに射抜かれて、私は息を呑んだ。

遠回しに言っているのかもしれないけれど、彼の言った言葉の意味ぐらいわかる。

(つまり……そういうことだよね)

(ど、どうしよう……)

この後に待っている展開を思って、私は視線を彷徨わせた…-。

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