第3話 妖刀の呪い?

ハルの手にした曲刀、それは呪われた妖刀『ツインスレイヴ』…―。

しかし彼はそんなことは気にも留めずに、私をアヴァロンの様々な場所に連れ回した。

そして、西日が街に長い影を落とし始めたころ…―。

ハルディーン「そういや、こいつの試し斬りがまだだったな」

(呪われた妖刀……本当に大丈夫なのかな……)

ハルディーン「心配なのか?あんなのただの噂話だろ」

私の不安を笑い飛ばすよう言うハルに…―。

○○「でも、もしハルに何かあったら心配で……」

ハルディーン「シュガー……」

瞬きをした彼の目が、柔らかな光を浮かべる。

ハルディーン「オマエ、優しいもんな。オレ、シュガーのそういうところ好きだぞ?」

○○「……!」

ハルディーン「はははッ、また顔が真っ赤だ!」

指摘されてうつむくと、彼は大きな声を出して笑った。

(うやむやにされたのかな……)

けれど、その時…―。

○○「大変!ハル、後ろ!」

ハルディーン「!?」

ハルの背後に高く積まれていた荷物が、彼めがけて落ちてくる。

ハルディーン「……!」

素早くハルの腰から曲刀が抜かれ、黒い一閃が煌めく。

気付いたときには、積み荷が木箱ごと真っ二つになっていた。

ハルディーン「あー……びっくりした!にしてもすごい切れ味だな」

(何これ……本当に怖いくらい……)

あまりにも鮮やかな切り口に、薄ら寒いものを感じてしまう。

○○「ハル、大丈夫?もしかして今のって……」

(妖刀の呪い?まさか……)

言葉にすることをためらっていると、間髪入れずに――

闘技場係員「大変だーっ!闘技場からモンスターが逃げ出したぞー!!」

○○「え!?」

声が聞こえた方を振り向けば…―。

数人の男達に追い立てられながら、巨大なモンスターがすぐそこまで迫っていた。

○○「はるっ、逃げて!」

ハルディーン「またかよっ!!」

途端にハルの目が鋭くなり、モンスターは一刀のもとに斬り伏せられる。

闘技場係員「すまん!にーちゃん、助かる!」

倒れたモンスターが、私達の目の前で係員達により運び出されていく。

ハルディーン「なんだか今日はいろんなことが起こるなあ!」

○○「大丈夫?どこも怪我してない!?」

ハルの姿を確認するけれど、彼は悠長に構えて曲刀についた血を払っている。

ハルディーン「だーいじょうぶだって!」

○○「でも、やっぱりその曲刀って何かあるんじゃ……」

ハルディーン「仮にそうだとしても、今だってなんとかなっただろ?」

○○「でも下手したら大怪我してたかもしれないんだよ? やっぱりその剣、手放そうよ。何かあってからじゃ遅いよ」

ハルディーン「そうか?オレはむしろ試し斬りができてちょうどよかったけどな」

能天気に笑うハルに、私は…―。

○○「お願いだからちゃんと聞いて!!」

ハルディーン「……っ!?」

思わず刀を取ろうと手が出てしまって、私は彼の手から曲刀を払い落としてしまった。

ハルディーン「ご、ごめん……わかったよ、シュガー。気を付ける」

珍しく真面目な顔をして、彼が地面に落ちた曲刀を拾う。

すると彼はしばらく何か考えて、手の中で一回転させた曲刀を腰に戻した。

ハルディーン「……シュガー、心配してくれてありがとな♪」

○○「あっ……」

軽く肩を叩かれて、ハルが嬉しそうにウインクする。

(本当にわかってるのかな……)

私の胸の中では、さらに不安が広がっていくのだった…―。

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