第4話 夢から覚める夜

(あれ……?)

そっと目を開けると、シャンデリアがまばゆく輝いている。

(私……!)

あわてて起き上がると、横で本を読んでいたジョシュアさんが静かに本を閉じた。

ジョシュア「目が覚めた?」

○○「ジョシュアさん……」

ジョシュア「歓迎パーティーの最中に倒れたんだよ。 お酒を飲み過ぎてしまったかな? 頭は痛くない?」

ジョシュアさんのひんやりとした手が、そっと私の額に触れる。

○○「ごめんなさい!」

ジョシュアさんが、私の瞳を覗き込んだ。

○○「私……ご迷惑を…-」

ジョシュア「うん、そうだね」

ジョシュアさんの声が、突然に冷たい響きを含む。

(え……?)

ジョシュア「テーブルマナーはなっていない。 立ち振る舞いも、まるでなっていない。 あんな小さな女の子に指摘されるほどね。 フォローするこちらの身にもなってみてよ」

(ジョシュアさん? なんだか違う人みたい)

(でも、仰ることはもっともだ)

○○「本当に、ごめんなさい!」

ジョシュア「まさか、来週の建国際でもあんな姿を見せるわけじゃないよね? 仮にもトロイメアのお姫様が」

○○「……っ。 はい、私、頑張ります!」

ジョシュア「頑張ってどうにかなるレベルだと思ってる? でも安心していいよ。 オレが教える」

○○「え?」

ジョシュアさんのガラスのように綺麗な薄緑色の瞳に、鋭さが宿る。

ジョシュア「建国際までに、完璧なレディに仕立てるから。 明日から覚悟しておいて」

○○「ジョシュアさん……?」

戸惑いに声をあげると、ジョシュアさんは冷たく私を見下ろす。

ジョシュア「口答えは、許さないから」

冷たく言い捨てて、ジョシュアなんは部屋を出ていってしまった。

(どうしよう)

ジョシュアさんの突然の豹変と、突然言い渡された明日からの予定に、私は呆然としてしまう。

お酒のせいかぼんやりと霞がかった視界を、そっとまぶたで遮った…-。

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