第1話 いつもと違う彼

泡沫の国・アフロス 蒼の月…―。

この季節、世界中の王族達が、アフロスで一堂に会する。

この国に古くから伝わる婚宴の儀により、神々からの祝福を承るために…―。

それは私も例外ではなくて、儀式に招待され、こうしてアフロスの地を訪れていたのだった。

儀式の場となる神殿に設えられたステンドグラスを見上げる。

(すごい……なんて荘厳な雰囲気……)

光と色を織り成す厳かな美しさに緊張し、ため息をつく。

するとそこに現れたのは……

アヴィ「お前、なんでここにいるんだよ」

○○「えっ、アヴィ!?」

見知った顔に出会ったはずなのに、胸が、とくん……と高鳴った。

目の前に現れたアヴィは白い礼服を身にまとい、

いつもとは違うどこか整然とした雰囲気を漂わせていた。

アヴィ「……。 何だよ」

○○「あっ! ううん……婚宴の儀に招待されて」

アヴィ「そうか」

燃えるような赤い髪も、意志の強そうな青紫色の瞳も、いつもと変わらないはずなのに、目が離せない。

(見惚れてたなんて、言えない……)

まだ心臓が落ち着かなくて……

胸元を押さえると、コツンと額をアヴィに小突かれた。

アヴィ「……しっかりしろよ。 トロイメアの姫として、招待されてるんだろ?」

○○「……うん……」

ふっと表情を和らげて笑ってくれる。

これまでの堅苦しさが楽になった気がして、私の口元も自然に緩む。

(よかった……アヴィも一緒なら、心強いな)

こうして私達は、婚宴の儀が行われるまでのわずかな時間を、共に過ごすことにしたのだった…―。

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