第1話 待ってたぜ、アリス!

不思議の国・ワンダーメア トランピア…ー。

(ここが、この前私が目覚めさせたハーツ君のいる国……)

王子を目覚めさせたお礼として、私は女王様にご招待を受け、トランピアを訪れていた。

大理石の回廊を歩き、王座の間へ足を踏み入れると……

ハーツ「ようやく会えた! 思った通り、マジカワイイぜ! !」

◯◯「!?」

私の顔を見るなり、ハーツ君が駆けてきて、勢い良く抱きついてくる。

ハーツ「もう一度会えるの、マジ楽しみにしてたんだよ! あの時はゆっくり話してるヒマなかったしな! な、俺のアリス!」

◯◯「え?」

(私を誰かと勘違いしてる……?)

しかしその時、王子の周りにいた人々に動揺が走った。

ハートの女王「……アリスですって?」

従者「それは……」

ハーツ「あ…ー」

動揺が広がる中、ハーツ君がしまったという顔をする。

すると…一。

ハートの女王「ハーツ、私にきちんと説明しなさい」

女王様が、錫杖をカツンと打ち鳴らした。

彼女の表情が険しくなるのを見て、ハーツ君は…ー。

ハーツ「やべー、ごめん! 俺、この子を案内しないと!」

◯◯「え、ハーツ君!?」

私の手を取るなり、ハーツ君はその場から一気に走り出した…ー。

……

ハーツ「は一っ……危ねえ。母上にバレるとこだった」

肩で息をしながらも、ハーツ君は楽しそうに笑っている。

ハーツ「ごめんな、アリス! でも、もう大丈夫だから!!」

◯◯「あの、アリスって……?」

ハーツ「だから、お前のことだろ? 昔ワンダーメアに現れた少女、アリス。 俺、小さな頃からずっと憧れてて」

◯◯「えっと……」

疑うことを知らない彼の笑顔は、心地よい太陽の光をいっぱいに浴びて、輝いていた…ー。

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