第4話 突然の来訪者

それから、私達は幾度となく、夜のダンスパーティーを楽しんだ。

そして今日も待ちわびた夜になり、私はグウィードさんのもとへと走った。

ドアを三回ノックする。

〇〇「花言葉は……『エレガント』」

グウィード「そして『豊かな感受性』。いらっしゃい子猫ちゃん◆」

扉が開き、温かな室内に通される。

グウィード「寒かっただろう?」

冷えた体を、彼が柔らかなブランケットで包んでくれる。

〇〇「ありがとうございます」

グウィード「どういたしまして、こちらにどうぞ♪」

暖炉のそばに座ると、グウィードさんが温かいティーカップを手渡してくれる。

グウィード「どうぞ。これを飲むと温まるよ♡」

一口飲むと、紅茶の中にほんの少し甘い香りがする。

〇〇「おいしい……これ……」

グウィード「少しだけブランデーが入ってるんだ。 気に入ってくれてよかった◆」

彼の穏やかな声が、胸の奥まで温めていく。

その時……

グウィード「子猫ちゃん」

グウィードさんが一輪のミモザを私にかざした。

次の瞬間、それは花冠に変わっていた。

〇〇「わっ!すごい……」

私の頭に花冠を載せると、グウィードさんが満足そうに微笑む。

グウィード「可愛い子猫ちゃんにピッタリだよ」

(可愛いって……)

思わず顔が熱くなり、私は隠すようにうつむいた。

グウィード「ほら、顔を上げて。僕に可愛い顔を見せて◆ ミモザの花言葉には、ほかの意味もあるんだよ」

〇〇「なんですか?」

グウィード「さあ、なんだろう?」

〇〇「えっと……誠実?」

あてずっぽうに、思いつく言葉を口に出してみる。

グウィード「残念、違うよ♧」

〇〇「幸福とか……」

グウィード「それはクローバー。いい言葉だよね」

〇〇「なんだろう……」

彼がクスクスと楽しそうに笑う。

けれどその表情が、一瞬にして険しくなった。

グウィード「見つかったか……」

素早く立ち上がると、彼が仮面を付け直す。

そして、手際よく暖炉の火を消した後……

〇〇「グウィードさん?」

素早く私を抱き寄せ、グウィードさんが物陰に隠れた。

〇〇「……何が起きているんですか?」

グウィード「しっ、静かに……」

〇〇「っ……!」

私の口を手で覆い、グウィードさんが囁く。

その時、扉が破られ銃声が響き渡った。

グウィード「まったく、乱暴な人達だ……。 ごめんね、少し怖い思いをするかもしれない」

そう囁くと、グウィードさんは私をしっかり抱いたまま物陰から飛び出して、窓を突き破った。

〇〇「!!」

追手「逃げたぞ! 追え!」

私を抱え、グウィードさんが屋根を伝い走る。

その下には、銃を構えて私達を追って来る数人の男性の姿があった。

(怖い……)

胸にしがみつくと、彼が耳に顔を寄せた。

グウィード「大丈夫。目を閉じていてごらん。いい子にしていたらすぐに終わるから」

〇〇「はい……」

目を閉じて、彼の胸に顔を押し当てる。

驚くほど穏やかに波打っている彼の鼓動が、私を安心させてくれた…-。

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