第1話 宝石のような瞳

雪の国・スノウフィリア 白の月…―。

指輪から放たれる閃光に包まれ、その人は長い眠りから目を覚ました。

誇り高いことで知られる、雪の国の一族の王子……

グレイシア「ん……ここは……」 

真冬の雪を連想させる光り輝く銀髪に、淡いブルーと白の装束。

全身を寒色に包まれた中で、瞳だけが宝石のように爛々と赤く輝いている。

グレイシア「お前が……俺を眠りから覚ましたのか?」

彼に事情を説明すると…―。

ふうん……と鼻を鳴らしながら、怜悧な視線が見定めるように私の顔をなぞってゆく。

遠慮のない視線に、どきりと胸が脈を打つ。

○○「あの……大丈夫ですか?」

名前がわからず、呼びかけに迷ってしまう。

グレイシア 「グレイシアだ。 別になんともない。目覚めさせてくれたことには礼を言う。けどそれだけだ」

○○「は、はい……」

(グレイシア……君)

(機嫌が悪いわけじゃないみたいだけど……なんだか怖い)

グレイシア「お前がトロイメアの姫だろうが、俺は……高潔なる雪の一族は媚びたりしない」

やや横柄な態度を取るグレイシア君に面食らっていると、

彼は膝についた雪を払い歩き出した。

その行先は…―。

(あれ?確かそっちは、お城と反対方向)

○○「お城へ戻らないんですか?」

グレイシア「……」

しかし彼は私を一瞥しただけで、

そのまま城とは正反対の方角…スノウフィリアの城下町へ歩きだす。

○○「ま、待ってくださ…―」

思わず追いかけようと踏み出した足を、新雪が絡め取る。

○○「あ……!」

次の瞬間、バランスを崩した私の体は…―。

グレイシア「何やってるんだよ、お前。トロくさい奴だな」

スノウフィリア君の細くてしなやかな、けれど逞しい腕が、しっかりと私を支えていた…-。

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