第5話 事件の結末は

事件を解明するために、グレアム君と二人で城を歩くうちに、気がつけば夕暮れとなり、夜のとばりも落ち始めていた。

グレアム「よし、この部屋に入ってみよう」

◯◯「……はい」

薄暗くなり始めた部屋の中は、どこか不気味に感じられる。

(なんだか……怖い)

異様な雰囲気に、体を震わせていると……

グレアム「こ、怖いのか?」

不意に、グレアム君がややぶっきらぼうに問いかけた。

◯◯「はい、少しだけ……」

グレアム「じゃあ……もう少し、傍に寄っても……いい」

最後の方が聞き取れないくらい小さな声だったけれど、その言葉に、不安が少し和らいだ。

◯◯「グレアム君……ありがとうございます」

夕日のせいか、ほんのりと赤く染まった横顔を見ながら、そっと傍に寄り添う。

と、その時…ー。

◯◯「っ……!」

大きな物音がしたかと思うと、ふっと部屋の明かりが消えた。

そして……

??「次はお前だ!」

叫び声に、驚いて…ー。

◯◯「グレアム君…… ! 」

(このままじゃ、グレアム君が危ない!)

そう思った私は、ぎゅっとグレアム君を抱き締めていた。

グレアム「……っ」

グレアム君が、息を詰めるのが、すぐ間近で感じ取れた。

けれど、次の瞬間…ー。

??「……うわっ!」

(え……?)

驚きの声と共に、何かが倒れ込むような音がした。

グレアム「あ……」

グレアム君が息を呑む。

そして……

グレアム「……お祖父様! 大丈夫ですか!?」

(え? お祖父様……?)

グレアム君は、慌てて部屋の電気をつけると、床にうずくまる人影に駆け寄った。

グレアムの祖父「うう……大丈夫だ。転んだだけで……」

グレアム「良かった……でも、お祖父様、これでは台無しです」

グレアム君は、初老の男性を支えて立ち上がらせながら、ため息をついた。

グレアムの祖父「ああ、君が◯◯姫かい」

◯◯「は、はい。あなたはグレアム君の、お祖父様……ですか?」

グレアムの祖父「その通り。すまないね、どうやら計画は失敗してしまったようだ」

◯◯「あの……」

意味がわからずに、目の前の二人を交互に見る。

するとグレアム君が、諦めたようにため息をつくと、ゆっくりと話し始めた。

グレアム「お前が来るから、お祖父様がミステリー文学を実際に体験してもらおう、と考えてくれたんだ。 もてなしのつもりだったけど……これでは、駄目だね」

グレアムの祖父「最後の最後で、しくじるとはなあ」

グレアム君もお祖父様も、残念そうに肩を落とす。

(私のために、考えてくれたことだったんだ……)

◯◯「あの、でも全然、あの事件が嘘だってわかりませんでした。 だから、大体は、成功なんじゃないでしょうか……」

そう言うと、お祖父様は困ったように笑いかけてくれたけれど……

グレアム「……」

グレアム君は、難しい顔をしたまま黙り込んでいた…ー。

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