第4話 犯人の目的

城で起こった怪事件について考えながら、グレアム君と二人肩を並べ、廊下を歩く。

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グレアム「男性だ。それは決まっている。 だからお前は、何も心配せず助手に徹していれば大丈夫だ。 何かあっても……この俺が、必ず守ってやるし……」

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(グレアム君は、大丈夫だって言ったけど……)

◯◯「あの、グレアム君。次に消えるのが男性ということは、グレアム君も危ないんじゃ……。 あ、まさか、本当の狙いはグレアム君とか……?」

グレアム「……どうしてそう思う?」

グレアム君は、興味深そうにじっと私の顔を見つめた。

◯◯「ふと、思っただけなんですが……。 この国の第一王位継承者であるグレアム君がいなくなれば、って考えてる人がいたら……」

グレアム「陰謀説か。面白い……確かに、俺自らが出る羽目になってしまったことだしな。 だが、この国にそんなことをする人間がいるとは考え難いな」

グレアム君が眉間に皺を寄せるのを見て、はっとした。

(私、グレアム君に自分の国の人間を疑わせるようなことを……)

◯◯「……良くない想像をしてしまいました」

グレアム「いや、構わない」

グレアム君は、本当にさして気にしていない様子で答えてくれた。

グレアム「それに、お前の考え方は嫌いじゃない」

◯◯「え……?」

グレアム「この事件がミステリー小説であったなら……。 犯人は、どこかの誰かであってはいけないということだ」

グレアム君は、また髪を指先でいじりながら、流れるような目つきで私を見た。

グレアム「さすがは、俺の助手だ」

その眼差しに、心臓が跳ねて……

(私、どうしたんだろう……)

自分の感情がよくわからずに、そっと胸元を押さえた。

すると、その時…ー。

◯◯「っ……!」

廊下の奥で、黒い影のようなものが動いた気がした。

(い、今、何かが…… ! )

グレアム「っ……!」

目の前を素早い動きで通り過ぎて行った何かに、思わず、ぎゅっとグレアム君に抱きついてしまう。

◯◯「グ、グレアム君、今さっきそこに黒い影が……!」

グレアム「っ……あ、き、気のせいじゃないか?」

◯◯「でも……」

(確かに、何かいたんだけど……)

グレアム「んー……コホン」

◯◯「え……? っ!?」

グレアム君の咳払いに顔を上げて初めて、自分が彼にぴったりとくっついていることに気付き、慌てて距離を取る。

◯◯「あの……ごめんなさい。ちょっと驚いてしまって……」

グレアム「い、いや、別に構わないが」

グレアム君は、真っ赤な顔で私から目を逸らしながら言った。

グレアム「と、とにかく、事件解決まではもうすぐだ。行こう」

(え? もうすぐって、どういうことかな?)

不思議に思いながら、火照る頬に手を当てて、先へ進んだ…ー。

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