第2話 事件発生

グレアム君の授賞式に出席させてもらってから、しばらくのこと…ー。

私の元に、彼から一通の手紙が届いた。

(何が書いてあるのかな)

胸を躍らせながら封を開けてみると、封筒の中に不思議な形で手紙が折り込まれている。

(あれ、これはどうすれば……?)

試行錯誤しながら手紙を開くと、几帳面で綺麗な文字がびっしりと並んでいた。

(手紙の折り込みに細工がしてあったり、この文字の並びも、グレアム君らしい……)

手紙の内容は、再びのミステリアムへの招待状だった。

その招待を受けて、ミステリアムへ足を踏み入れることにした…ー。

……

まだ授賞式の賑やかさが残る街を抜けて、城へ向かう。

そうして城に到着した後、グレアム君の元へ案内してもらっていると……

城の廊下に、人だかりができていた。

◯◯「何があったんですか?」

問いながら、人だかりの中を覗き込んで、はっと息を呑んだ。

グレアム「……やっと来たね」

私の姿を認めたグレアム君の表情が、引き締められる。

人々の中心に立つグレアム君の足元には、人型を象られた線と、血痕が見えた。

◯◯「これって……」

思わず後ずさると……

グレアム「怯える必要はないよ。いくら、お呼びでない客が来たとしても、俺がいれば問題ない」

(どういうこと……?)

グレアム君の言葉の意味がわからずに、首を傾げる。

◯◯「あ、あの、私……またの機会にお伺いした方がいいですか?」

グレアム「そんな必要はない。この程度の事件、俺にとってはただの子どものお遊びだ」

(事件……グレアム君自らが、解決するのかな……?)

◯◯「迷惑でないのなら……」

グレアム「迷惑? もし仮に俺が迷惑に感じることがあるとすれば。 それはお前が、俺の力を疑ったその時だ」

◯◯「……?」

グレアム「天才ミステリー作家と言われる俺の城で、こんな事件を起こしたこと……後悔させてやる。 この俺……グレアムの溢れ出す知能と分析力、洞察力、それらを思い知るがいい」

(寡黙な人だと思っていたけど……)

口数の多い彼の様子に、少し驚いてしまう。

(でも、ちょっと頼もしいかも)

事件に向き合うその瞳は、授賞式で見た時の何倍も、輝いて見えたのだった…ー。

<<第1話||第3話>>