第1話 一足お先にご招待!

映画の国・ケナル 彩の月…―。

穏やかな風の吹く、ある日のこと…―。

一通の招待状が手元に届き、私はとある場所を訪れていた。

(すごい……映画のテーマパークって聞いてたけど、こんなに大きいなんて)

思わず立ち止まり、巨大テーマパークの豪壮なエントランスを眺めていると…―。

ウィル「遠くからようこそ、ビートン・フィルムパークへ!」

○○「ウィルさん!」

特徴的な眼鏡をかけ直しながら、ウィルさんが私を出迎えてくれた。

ウィル「あら、血色がいい顔。残念」

映画の国・ケナルの王子にして、著名な映画監督として世界に名を馳せているウィルさん……

ウィル「君はさ、こうもっと……素敵な表情ができるよね?」

○○「素敵な表情って…―」

(もしかして……もしかしなくても)

ウィルさんが心血を注ぐもの、それは…―。

ウィル「そ! 君の……とびきり怖がった表情!!」

(やっぱり……)

眉をひそめる私の様子を見て、ウィルさんは愉しそうに笑みを浮かべた。

○○「今日はご招待ありがとうございます」

ウィル「そうそう、それね!」

彼の口から改めて、この『ビートン・フィルムパーク』の開園理由が告げられる。

このパークは、映画の国の連合組織であるビオスコープによる壮大な計画で……

ウィル「映画の世界をリアルに体感できて、もーっと映画が好きになっちゃう、そんな感じ」

ウィルさんによると、パークの建設は数年前から計画されていたらしい。

○○「でも、すごいです! ウィルさんが製作総指揮を取っているなんて」

ウィル「まあ、僕っていうか、僕達二人なんだけどね」

製作総指揮にはもう一人、ウィルさんのお兄さんであるテルさんが担当していた。

ウィル「いろいろ価値観の不一致はあるけど……兄さんも僕も、映画は大好きだし。 ほら、誰しも一度は映画の世界に入りたいって、思ったりするでしょう? それを実現しようと思って! ほらさ、僕の映画の世界も実際だったら……」

○○「ウィルさんの……」

ウィル「君には一足早く、プレオープンに先駆けて僕のアトラクションを楽しんでもらおうと思ったのさ」

その時、私を見る彼の目に妖しい光が宿る。

(なんだか嫌な予感がする)

○○「あの、そのアトラクションの元になった映画って……」

ウィル「なんと、最新作なんだ! タイトルは『グレータウンの沈黙』もちろん……ホラー映画だよ♪」

不気味な響きのタイトルからは想像もできないような晴れやかな笑みを、ウィルさんが浮かべていた…―。

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