第1話 アルビトロの歌謳い

審判の国・アルビトロ 影の月…-。

審判の国・アルビトロは、豪壮な石畳が整然と敷き詰められた、歴史を感じる街並みだった。

目覚めさせたダルファー王子からの招待でこの国に訪れた私は、早速城へと案内された…-。

……

部屋に入ると、一瞬女性かと見紛う人が待っていた。

(ダルファーさん)

天使のような白い羽がよく似合う透き通った肌に、整った顔立ち……

思わず見とれていると、気がついたダルファーさんに優美に微笑みかけられた。

ダルファー「いらっしゃい。キミのことを待ってたよ」

流れるように見事な翡翠色の髪がきらりと輝き、紫の長い裾を持つ服は、彫像のような体の輪郭を美しく見せている。

〇〇「あっ……お招き頂きまして、ありがとうございます」

美しい姿に見とれるあまりに挨拶が遅れてしまい、慌てて頭を下げる。

ダルファー「〇〇ちゃん。綺麗な音の名前だよね。 改めて自己紹介。僕はダルファー。呼び捨てでいいからね」

話すたびに、彼の美しい髪が魅惑的に揺れる。

〇〇「はい……ダルファー、よろしくお願いします」

ダルファー「こちらこそ。僕はこの審判の国・アルビトロで、歌をうたうのが務めなんだよ」

〇〇「歌……コンサートをしてるんですか?」

ダルファー「それとは違うかな。僕はこの国の軍勢を歌で指揮して戦うからね」

(戦いを歌に?)

首を傾げる私を見て、ダルファーは面白そうに微笑んだ。

ダルファー「士気を高めるためだよ。それから人々の気持ちを安らげるように歌うのも務めのひとつかな?」

〇〇「素敵ですね」

(確かにこの声で歌われたら、誰だってうっとりするだろうな)

その光景を想像しただけで、私は癒されるような心地になるのだった…-。

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