第4話 海賊の仕事

ダグラスさんと女店主の親しげな様子に、少し肩を落としていると……

私達のテーブルに料理が次々と運ばれてきた。

ダグラス「この辺りの海は水温が低いから、魚の身がぎゅっと引きしまっていてすごく美味しいんだ」

〇〇「そうなんですね、本当にどれもおいしそう……」

ダグラス「遠慮せずに、たくさん食べてくれ」

テーブルに並ぶ魚介類は見るからに新鮮で、どれも身が分厚い。

〇〇「いただきます」

大ぶりの海老を口に運ぶと、弾力のある身が口の中で弾ける。

〇〇「とってもおいしいです!」

ダグラス「よかった。じゃあ、腹いっぱい食べてくれ」

〇〇「はい!」

私の感想を聞いたダグラスさんは、嬉しそうに笑みを浮かべた。

おいしい料理に舌鼓を打っていると、ダグラスさんはくすりと笑いながらワイングラスを揺らした。

ダグラス「元気が出たみたいで、よかった」

〇〇「え…-」

ダグラス「さっき、浮かない顔をしていたから」

〇〇「!」

(恥ずかしい……気づいてたんだ)

見透かされたような気持ちになり、頬が熱を持っていく。

ダグラス「……」

私の気持ちを知ってか知らずか、ダグラスさんは楽しげにワインをひとくち口に含んだ。

ダグラス「実は……。 海賊と名乗ったことで、〇〇が怖がって会いに来てくれないかもと思っていたんだけど」

〇〇「そんなことは……」

(本当は少しだけ、怖い人なのかもと思ってたけど……)

ダグラス「フフッ……〇〇は正直だ。やっぱり怖かったんだろ?」

〇〇「え…-」

私の驚きをよそに、ダグラスさんは声を上げて笑う。

ダグラス「冗談だよ。 俺達は、〇〇が思っているようなことはしない。 主な活動といえば、この辺りの資源を不法に採取する密猟者の排除や、海上と陸上の治安維持。 どう? 怖い人じゃないだろ?」

〇〇「はい……実は、少しだけ怖い人かもしれないと思っていました」

ダグラス「ははっ、やっぱり君は素直だな」

〇〇「すみませんでした……」

ダグラス「謝ることはない」

ダグラスさんはワイングラスを揺らしながら、面白そうに私を見つめていた。

出会って間もないけれど、ダグラスさんと過ごす時間はとても楽しくて…-。

(不思議だな……)

彼のことをもっと知りたいという気持ちが、自然と込み上げてくる。

〇〇「では、海賊というよりは、海上警備をされているんですね」

ダグラス「まあ、それに近いかな」

―――――

ダグラス『もともと商船として商いをしていた俺の先祖が、地上の海賊達を統一……いや、淘汰した。 だから……ちゃんと面倒を見てやらないといけないんだ』

―――――

(あの時の言葉は、このことを言ってたんだ)

長として、広大な海の治安を守るダグラスさんに感心していると…-。

ダグラス「でも、それと同時にトレジャーハンティングもしてる」

不意に、彼のいたずらっぽい瞳が向けられた。

〇〇「トレジャーハンティング?」

ダグラス「そう、宝探し。こっちは逆に海賊っぽいだろ?」

〇〇「宝探し……はい、海賊と言ったらそのイメージがあります!」

ダグラスさんが話す言葉のひとつひとつが新鮮な驚きとなり、私の胸を揺さぶるのだった…-。

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