第1話 甘い香りをたどって

チョコレートの国・ショコラベリィ 星の月…-。

空からちらつく雪が、辺りをうっすらと白く包み込んでいる。

憧憬の国・チルコの皆の『クリスマス・サーカス』に街が盛り上がる中、私はコロレさんに会うために、彼の城を訪れていた。

(なんだか甘い匂いがする……)

執事さんに続いて廊下を進むと、ほのかに感じていた甘い香りが段々と強くなっていく。

執事さんに案内されたのは、客間ではなく調理場だった。

〇〇「コロレさん、こんにちは」

コロレ「えっ? 〇〇さん!」

コロレさんはクリームを絞っていた手を止め、笑顔を見せる。

〇〇「お久しぶりです。お招きありがとうございます」

コロレ「いっらしゃい、待ってたよ。そっか……もうそんな時間だったんだ。 貴方が来るまでには完成させるはずだったのに……」

伏せられた視線の先にはケーキがあり…-。

さりげなくそれを隠して、コロレさんは照れ臭そうに微笑む。

コロレ「あと少しでき上るんだ。ごめんね、ちょっと待っててくれるかな?」

〇〇「はい、わかりました」

笑ながらそう返すと、コロレさんも嬉しそうに頷く。

コロレ「ありがとう。〇〇さん」

調理場に漂う甘い香りに、優しい幸福感が胸を満たしていった…-。

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