第4話 輝くドレス

クラウン『失敗を恐れないで、何度も練習をすれば自信もつく。まだ時間はたっぷりあるから』

それから、練習の日々が幕を開けた…-。

ショーで着るドレスの採寸を済ませると、いよいよ練習が始まった。

丁寧に台本を読み込んだ後、動きも加えて演技をしてみると、クラウンさんとの差に愕然とする。

クラウン「そんな顔しないで。 今は練習、失敗したって気にすることはないのだから」

〇〇「でも……」

クラウンさんの演技は、当然ながら素晴らしい。

それに比べて、私の動きはぎこちなくて、どう考えてもクラウンさんの足を引っ張っていた。

(このままじゃ、私のせいでクラウンさんのショーが……)

クラウン「〇〇?」

クラウンさんは、私の顔を心配そうに覗き込む。

けれど、私は申し訳なくて、クラウンさんの目をまっすぐ見ることができなかった。

〇〇「ご、ごめんなさい……。 もっと上手くできると思ったのに……このままじゃ、やっぱりご迷惑を」

〇〇「初めから上手くいく人なんていないよ、〇〇? 私だって、道化になったばかりの頃は、『タネ明しのクラウン』と呼ばれていたものだ!」

クラウンさんは励ますように優しく私の肩に手を置くと、にっこりと微笑んだ。

その時、ドアをノックする音が響いて……

衣装デザイナー「クラウン様、姫様、衣装の仮縫いができました!」

デザイナーが興奮気味に衣装を広げて見せる。

白く輝き放つ、とても美しいドレスに目を見張った。

(これって……)

クラウン「素晴らしい……! よし、これならば少し筋書きを変えよう!」

ドレスを見て喜びの声を上げたクラウンさんが指を弾くと、ペンが手の中に現れた。

そのことに驚きつつも、私はもう一度衣装に目を移し、まじまじと見つめる。

(ウェディングドレス? この衣装でクラウンさんと並ぶと、まるで結婚式みたい……)

そんなことを考えていると、これまでとは違う緊張感が込み上げてくる。

すると、私の様子を見ていたクラウンさんが声をかけてくれた。

クラウン「〇〇、心配しないで。少し、台本を手直ししよう」

〇〇「は、はい……!」

首を傾げるクラウンさんに、緊張の理由を話すことはできなかった。

(気づいて……ないよね?)

頬を染めた私の声が裏返らなかったか……

楽しげにペンを走らせる彼の隣で、私はそのことばかりが気になっていたのだった…-。

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