第4話 水鏡

フリューさんと静かな中庭でゆっくり語り合っていると……

フリュー「あの……えっと……」

〇〇「何ですか?」

フリュー「この国……アフロスには運命の人を映す水鏡があると聞いたんだ」

〇〇「運命の人……ですか? なんだか神秘的ですね」

興味深い話に耳を傾けていると、フリューさんの表情がどこか悲しげなことに気づく。

フリュー「古くから伝わる、信頼性の高いもので、はっきりと映るそうなんだ……運命の人の姿が……。 水鏡に映った相手と結婚した人は……誰もが生涯幸せに過ごすと……言われてて」

夢のような話に、私は黙って聞き入ってしまう。

フリュー「だけど……もしもきみに、運命の人が見つかってしまったらと思うと、僕は……」

(私の運命の人……)

その言葉を聞くと、なんだか不思議な気持ちになる。

フリュー「毎年……そこにはたくさんの方が集まり、盛況だと兄から……聞いているんだ」

〇〇「確かに、運命の人がわかると聞けば、気になりますよね」

フリュー「やっぱり……きみも気になる……?」

不意にフリューさんから質問をされ、私は答えた。

〇〇「運命の人がわかるなら、見てみたいなって思います」

フリュー「……」

〇〇「フリューさん?」

フリューさんは何も言わず、うつむいている。

フリューさんの表情が曇ってしまい、私は不安になって尋ねた。

〇〇「フリューさん、どうしたんですか?」

フリュー「僕は……怖いんだ」

〇〇「怖い?」

フリュー「僕は信じているんだ……その水鏡に映る……僕の……」

〇〇「え?」

だんだんと小さくなるフリューさんの声に耳を澄ますけれど、聞き取ることができなかった。

フリュー「いいえ、なんでもありません……」

(フリューさん……)

フリューさんが言いかけた言葉が気になったけれど、私は、なぜだかそれ以上聞くことはできなかった…-。

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