第5話 新しい自分との出会い

私とシュテルさんの手の中で、星屑時計がきらきらと輝いている……

二人で見つめ合っていると、遊園地の喧騒が遠くに感じられた。

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シュテル『ここに残っている星屑を……大切にしていきたい』

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私も想いを返したいと思うけれど、言葉ではどうしても足りない。

(シュテルさんへの気持ち……どうしたら伝えられるだろう)

(今触れあっている手から、全部伝わればいいのに……)

そう願いを込めた、次の瞬間…-。

シュテルさんの柔らかい唇が、髪に優しく落ちてきた。

シュテル「……何も言わなくていい」

〇〇「! また、声が聞こえて…-」

シュテル「……いや」

(じゃあ、どうして……)

私の心の声が届いたかのように、シュテルさんが口を開く。

シュテル「瞳が、声が、表情が……君の気持ちを伝えてくれる。 君の心の声を聞くんじゃなく……汲み取るんだ。 それも……今の僕の幸せになっている」

愛おしげに目を細めるシュテルさんに、私は…-。

〇〇「幸せ……?」

シュテル「ああ。君のことを、より深く知られるようで」

シュテルさんの白い肌に、わずかに赤い色味が差す。

シュテル「こんな感覚、知らなかった。 ……君のおかげだ」

触れ合った手に力を込めながら、シュテルさんは口元をほころばせた。

それもまた、初めて見る彼の表情で……

(今日は、本当にいろんなシュテルさんと出会えてるな……)

私だけに見せてくれていることが、何よりも嬉しくて胸が温かくなる。

私は彼の表情ひとつひとつを、心の中に大切にしまい込んだ。

シュテル「君といると、新しい自分を発見する」

〇〇「私も、もっともっと……いろんなシュテルさんを知りたいです」

シュテル「〇〇……」

私の名前を呼ぶ、たった一言に、愛が溢れている。

彼は星屑時計から手を離すと、改めて二人の指を絡め直した。

シュテル「君のその願いを叶えたい。 星屑時計には頼らない……僕自身の力で」

シュテルさんが、真摯な眼差しを私に注いでくれる。

どこか儚げな雰囲気の奥に、美しい強さが垣間見えた気がした…-。

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