第1話 再会

まばゆい光に満たされたその渦の中心で、一人の王子がゆっくりと目を覚ました。

??「……私は、ここで何を……仕事の途中だったはず……」

眠っていたせいだろうか、かすれた声はそれでも甘く私の耳に届いた。

(なんて綺麗な人……)

思わず見とれていると、私の視線に気づいた青年は、はっと我に返ったように立ち上がった。

??「貴方が私を、助けてくださったんですね。お礼をしなければならないのですが……。 すみません、今はゆっくりしている時間がなく……改めて連絡を取らせてください」

〇〇「でも……とても顔色が悪いみたいですが」

大丈夫なのだろうかと声をかけると、青年はふわりと表情を緩めた。

??「ええ、大丈夫です。割と体は丈夫ですので」

そう一言だけ残し、青年はすぐにその場を立ち去ってしまった…-。

その翌日……

先日の青年からの招待を受けた私は、ヴィラスティンの都を訪れていた。

花と緑が溢れる美しい国は、どこを見ても華やかで心が躍る。

(曼珠沙華の一族だって教えられたけど……この先のお城で合ってるかな?)

城に到着するとすぐに、従者の方が迎えに出てくれた。

従者「ようこそいらしてくださいました。アキト様の元へご案内いたします」

〇〇「ありがとうございます」

長い廊下を歩き、あの青年……アキトさんの元へ向かう。

その道中、従者の方はいろいろとこの国のことを教えてくれた。

従者「一族の王は、たくさんの花の精霊達の中から、大地と水の女神によって選ばれます」

つまりそれは血族でも何でもなく、突然王子として任命されるということ……

(なんだかすごいな……アキトさんも突然選ばれて……?)

その時、前方からアキトさんが歩いてくるのが見えた。

従者「アキト様」

アキト「到着されたと聞いたので、私もお迎えに上がりました」

〇〇「ありがとうございます。わざわざ来てくださるなんて……」

アキト「私の命の恩人ですから、当然です。ようこそ、ヴィラスティンへ」

アキトさんは先日より血の気の戻った頬を穏やかに緩ませ、微笑んだ。

優しげな物腰と、不思議な儚さを感じさせる姿にとくんと鼓動がわずかに跳ねる。

〇〇「この国はとても美しくて……さすが花の精の国です」

アキト「そう、街を見てきたんですね」

〇〇「……?」

不意に、あの日見かけた憂いがその瞳ににじむ。

アキト「たんに美しい花だけであれば、よかったのですが……」

低く物悲しくなった声音の意味を、その場ではどうしても聞けずに……

すぐに微笑みをたたえるアキトさんに、私も笑みを返すのだった…-。

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